東洋経済オンラインで面白い記事を発見。
昨年末の記事ですが、なかなか興味深いです。
■知られざる、もう一つのカー・オブ・ザ・イヤー
http://toyokeizai.net/articles/-/56853
■日産「セフィーロ」が獲った”幻”の特賞
http://toyokeizai.net/articles/-/56946
要は1994年当時存在した自工会付きの記者クラブ内で行われた「カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」パロディ版の「カー・オブ・ザ・イヤー」投票の話で、その顛末が書かれた記事です。
当時を知る車好きの方であれば、今は亡き懐かしい車名が出てくるのと、「カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」の結果にいつも首をひねっているのは自分だけじゃ無いんだという意味でも楽しめる記事かと思います(*1)。
個人的に一番この記事で気になったのは、この記事の中にある以下の部分です。
“自工会クラブ版カー・オブ・ザ・イヤーは別にCOTYやRJCに対抗するわけではなく、あくまでも「パロディー」版である。イヤーカーは、クルマそのものの走りや性能の良さなどを評価して選ぶものであり、私のような自動車オンチがイヤーカー選びをするなど“おこがましい”ことは百も承知。選定基準もあくまでも経済記者としての判断に任せた。”
自分には何がおこがましいのか全く分かりませんが、いわゆるCOTYに投票するような自動車評論家だけに車を語らせておく方がもっと問題だと思うのです。
なんてったって、1994年のCOTYはなんとあのFTOですよ!FTO!(*2)
もうこの時点で信用ならない。
そもそも、車の性能や走りを重視して車を買う人ってどれくらいいるんですかね?実は大半の人が「下駄代わり」の交通手段として購入するわけで、むしろ重要なのは価格や燃費だったり使いやすさだったりするわけです。
ちなみに2014年上半期の販売台数Top3は上からタント、アクア、フィットですよ(*3)。性能や走りとは縁遠い軽自動車やHVが売れてる自動車なのが今ですよ?
自分も人のこと言えないですが、車好きの人って過去の名車とか印象的な車に関して思い入れがあるのか「今はXXXのような車が無い!似たような車を出せ!」とか平気で言うじゃないですか?(*4)
でも、大概そういうクルマって「三丁目の夕日」的な昔は良かったというだけで、冷静に考えると時代に合ってないだけでなく環境や安全面で問題があったり、そもそも人気が無かったから無くなったわけで。
そういう意味で一番痛いなと思うのは「AE86再販しろ!」ですが、今時そんなクルマ出したって売れるわけないし、それを分かった上で頑張って86出したトヨタは本当にエライと思います(*5)。
経済記者のような経済の視点から見たクルマっていうのも十分アリだと思うのです。スーパーに買い物に来るようなおばちゃん達が選んだカー・オブ・ザ・イヤーってのもある意味面白いかもしれない。
この多様性の時代に愛好家だけでクルマを語ること自体がもはや時代遅れだと思うのです。素人がクルマのことを語って何が悪いのですか?
*1・・・なので、その対抗馬としてRJCカー・オブ・ザ・イヤ−ができるわけです
*2・・・友人が乗ってました。あの当時はどういうわけか外装はクーペでやたら狭い車内というパッケージのクルマが流行ってました。今とは真逆の嗜好ですね。
*3・・・ちなみに2014年通年の販売Top10は10台中7台が軽自動車だそうです
*4・・・カーマニアの典型的暴走例ですね
*5・・・スバルと共同開発できたのが大きかった