DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

響け!ユーフォニアム&サントラ

ふだんアニメは娘とプリキュアを見る程度ですが、製作が発表されてから楽しみにしていたアニメがありました。京都アニメーション製作の「響け!ユーフォニアム」です。

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京アニ&山田監督&吹奏楽(しかもユーフォ!)なんて、私に「見ろ!」と言わんばかりのピンポイント攻撃を受けたからには見逃すわけにはいかないのです。なにせ、私は高校時代に吹奏楽部でユーフォをバリバリ吹いていた人だったので。

ユーフォ吹きだった(現役でも)人は分かると思うし、アニメの劇中でも出てくるけど、あまりのマイナー楽器故の「え?UFO?」という未確認飛行物体扱いに忸怩たる思いをした人も少なくないはず。それが遂にアニメのタイトルにまでになるとは感無量、、

と言うわけで、恒例の「響け!ユーフォニアム」全13話ネタバレ無しの一口箇条書き感想です。

・今時なかなか無い熱血部活モノだった。平凡で流されがちな女子高生が苦悩しながら成長していく姿は吹奏楽経験者でなくても普遍的な共感を得られるような話だったと思う

吹奏楽部出身者でも違和感なく見られるクオリティはさすが京アニ。特に楽器の描写や演奏に合わせた運指など本当に唸りっぱなしだった。ただし吹奏楽部を「吹部」って略すのは初めて聞いた

吹奏楽部という一つの社会で起こる様々なことを「負」の部分も避けることなく描いたのが良かったと思う。まさに大所帯の部活は社会の縮図ですねぇ。実際にそうだし

・好きな話数はサンライズフェスティバルでマーチングを披露した第五話。あがた祭りと大吉山に登った屈指の第八話。そして、物語後半のコンクール自由曲でのトランペットソロ争いのストーリーは見ていて胸が締め付けられた

・部長をメチャクチャ励ましたい。あぁ、励ましたい

・夏紀先輩のような先輩がいたらもっと楽しく部活出来たろうになぁ

吹奏楽部内の「音楽楽しくやりたい派」と「コンクール頑張りたい派」の構図はどこの吹奏楽部でも同じなのだろうか?これ結構難しい問題なのよね。作中の二年生の件のように部内が空中分解しかねない問題に発展することはままある

・コンクールの舞台に上がる前の緊張感や、ステージに上がったときのライトの眩しさ、そしてあれだけ練習したのにまるで一瞬にして終わってしまう演奏。痛いくらいに高校の時の事を思い出した。

・総じて非常にクオリティの高い作品だった。こういう普遍性を持つ優れた作品が地方局の深夜にしか放送出来ないのは本当に勿体ないと思う。「日常」の時のようにNHKで再放送すべき

・原作4巻全部読んだ。二期あるよね?話が面白くなるの実はアニメ最終回以降からじゃん!!てかその伏線を最終回にいくつも散りばめる京アニもあざとい

そうそう、「響け!ユーフォニアム」の劇伴サントラも買いました。二枚組で二枚目に劇中曲の吹奏楽曲が全てフルで入っているのですが、演奏はともかく内容が素晴らしすぎる。「シェラザード」なんて劇中で数秒しか使われてないのに10分以上あるよ。

「地獄のオルフェ」「シェラザード」「FUNICULI FUNICULA」「RYDEEN」と選曲が良いので聞いていて飽きないし、劇中課題曲の「プロバンスの風」はいかにも吹奏楽曲な感じが良いですね(って、リアルに今年の課題曲なんですね。知りませんでした)。

特に「地獄のオルフェ」と「FUNICULI FUNICULA」は編曲者にその筋では有名なA.リードがいるので、吹奏楽なのに非常に厚みのある重厚な曲になってますね。とても気に入りました。

自由曲の「三日月の舞」は緩部分のメロディも美しいし、とてもカッコイイ曲。でも何より劇中でキーになった曲なので「この部分のメロディーはあの場面で使われていた」というのが思い出されて、また違う楽み方もできるのがよいです。

これで吹奏楽を気に入ってくれる人が増えれば良いのだけど。オケよりも音が丸くてどことなく懐かしさを誘う優しい響きが良いんですよね。あー、楽器吹きたくなってきた!