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シネコンの上映方式と音響システムまとめ


映画館で見る映画が好きです。
やっぱり、映画はできるだけ大画面かつ良い音響のシアターで見たいからです。

 

最近ではホームシアターに対抗して映画館側も「シネコンならでは」の映画体験をもたらすべく、様々な特徴のある上映方式や音響システムを導入しています。

 

たまに同じ映画を違う映画館で見ると映像・音響共に「あれ?同じじゃない」と思うことを経験した方も多いかと思います。とくに上映方式などが異なると映画の印象もだいぶ異なってくるくらい大きな違いになりますからね。

 

トリビア的ですがいくつかその代表的な方式をまとめたのでここに置いときます。
映画を見る時のシネコン選びの参考にしてみてください。映画館情報はブログ管理人の住んでいる首都圏のみです。また、感想は筆者の主観によるものです。

 

 

【アトラクション(体感)系】 

最近流行の映画を体感出来る仕組みをご紹介します。ちょっとした遊園地気分が味わえますので是非体験してみては。

 

■4DX/MX4D


4DX® 機能紹介 [公式]

 

3Dに対して「4D」を体感できるというのが売りの4DX。最近はいろいろな映画館で見かけますが、これは韓国のCJ 4DPLEX社が開発したシアター用設備です。


特徴は映画の演出に合わせて座席が動いたり、水が吹き出たり、風が吹いたり、香り(と言うより「ニオイ」)がする仕掛けなどがあって、それが映画の臨場感を高めるという具合です。

 

アクション系やSF系などの「よく動く」映画と相性が良く、実際に映像の中での出来事を体験しているかのような錯覚に陥ることもしばしば。

 

似たようなものに「MX4D」というのもありますが、こちらは日本ではTOHOシネマ系列のみに設置されています。なのでどうしても対象の映画が限られてしまうのと、2016年現在関東と関西の都市部周辺以外にMX4D設備のある映画館が無いのが厳しいですね。

 

4DX料金として通常の鑑賞料金+1000円(3Dの場合はさらに3D料金)、MX4Dは+1200円を取られるので注意。

 

 

【音響システム系】

映画館の売りの一つである音響システムの形式をご紹介します。なるべく良い音響で映画鑑賞したいものです。

 

DOLBY DIGITAL 5.1


Dolby Digital 5.1 - Stomp Perspective - Intro (HD 1080p)

 

映画館の基本音響システムである5.1ch。ホームシアターとかでも良く5.1chと聞きますが、これは右・左・中央・右後、左後の計5チャンネル分のスピーカーと低音専用の1チャンネル分のサブウーファーがある音響システムを5.1chと言います。

 

DOLBY社が映画のフィルムに5.1ch分の音声を圧縮して収録する方法を開発したので、それが業界スタンダードになり今に至るという感じです。最近ではすっかり高音質な非圧縮デジタル音声が主流になったのでドルビーがどうのとか言わなくなりましたね。

 

5.1chのバリエーションに7.1chや9.1chなんていうのもあります。これはサラウンドスピーカーの数を増やして音の囲まれ感を増やし臨場感を高めるための仕掛けになります。

 

DOLBY ATMOS(ドルビー アトモス)


【DOLBY ATMOS】プロモーション動画1

 

ハイエンドの家庭用AVアンプにも搭載されている音響方式「DOLBY ATMOS」ですが、映画館の音響システムとしても使用されています。

 

ATMOS(アトモス)とあるだけに、包み込むような音響が特徴です。対応したシアターには天井にもたくさんのスピーカーが付いていて、全周囲を取り囲むスピーカーから繰り出される怒涛の音響が特徴になってます。しかし、音の洪水過ぎてセリフが聞き取りにくいし音の定位も甘く感じるので個人的には評価低め。爆発音バリバリのSF系映画と相性いいかもです。

 

■LIVE ZOUND

cinecitta.co.jp

 

川崎のチネチッタで採用されている音響システムで、高品質なスピーカーとアンプを採用しており迫力のある音響が楽しめます。3つのモードがあるらしく、映画に合わせて調和重視の「ハーモニクス」、迫力重視の「ハードコア」、万能型の「ハイブリッド」の中から最適なものを採用するようです。

 

ここで「ハーモニクス」モードで上映の映画を見てきたのですが、セリフが明瞭で聞き取りやすく、BGMや音響も定位感のあるクリアな音作りで好印象でした。劇場側に張り出すウーファーの主張がちょっと強いかな?という所もありましたが、迫力重視の映画であればその威力は絶大でしょう。

 

この他に通常の劇場よりも上質なスピーカーやアンプを使用して音響を売りにする上映としては、立川シネマシティの「極上爆音」上映などがあります。どれも得てして体に響くような迫力ある音響が特徴です。

 

 

【劇場認証系】

第三者の認証でシアターの質を評価してもらうものです。認証維持に結構お金が掛かるとか掛からないとか、、

 

■THX


THX Trailer: Sphere (2015)

 

スターウォーズを制作したルーカスフィルムが、音響を意図した形で高いクオリティで鳴らすことができる映画館の認定規格として作ったのが「THX」の始まりです。

 

他と違い「認証」なので、THX認証されたスピーカーなどでシアターを構成し、一定のクオリティを満たしてるかの審査に通ることでその映画館はTHX認証を得ることが出来るというものです。

 

故に映像・音響含め統一された高いレベルでの映画鑑賞体験が出来ます。特に音響は非常にクリアかつ定位感のあるものです。ただ、万能かというとそうでもなく映画によってはこの仕組みが合わなかったり音が汚いと言われるケースもあるようです。

 

有名なのはTHX認定を映画館として日本で初めて受けた「StarWarsの聖地」イオンシネマ海老名の7番スクリーンです。

 

 

【上映方式】

音響だけではなく映像にも力を入れた上映方式をご紹介します。専用設備が必要なので一部劇場のみが採用していますが、その威力は絶大です。

 

■ScreenX


ScreenX Brand Trailer

 

なんと左・中央・右とスクリーンが3面ある上映方式の登場です。これも、4DXと同じ韓国CJ 4DPLEX社が開発しています。

 

何と言っても左右いっぱいに広がる映像の迫力は今までに無いものですが、種明かしをすると映画上映中、常にスクリーン3面を使用するわけではありません。クライマックスや効果的な場面のみ左右の拡張画面を使うので、あっても30分程度しか3面使うことはない模様。

 

2017年7月現在、日本ではお台場のユナイテッド・シネマでのみscreen Xでの鑑賞が可能です。料金はおとな料金で2,500円です。

 

IMAX


IMAX® International pre-show intro trailer

 

視界いっぱいに広がる大きな曲面を描いたスクリーンが特徴。音響はサラウンドスピーカーや重低音を受け持つサブウーファーが結構頑張る設定なので、シアター一杯に広がる豊かで迫力ある音響が楽しめます。大画面に映し出される美しく明るい映像とともに一見の価値ありです。

 

映像・音響だけではなく座席の配置やスペースもよく考えられており、狭いとか画面が見にくいなど鑑賞上の障害も極力排されている所は流石です。故に、映画を鑑賞する環境としては最高峰の部類に入ると思います。

 

アメリカでは映画館だけではなく上映施設のある博物館などでも結構見かける上映形式ですが、日本でも一部映画館以外の施設でも利用されてますね。映画館としては品川Tジョイプリンスや桜木町のブルク13、川崎や二子玉の109シネマズなどにあります。

 

ただし、IMAX特別料金として通常料金+約500円(劇場により金額が違う)取られるので、ここぞという映画の鑑賞でどうぞ。

 

 

■ULTIRA(ウルティラ)


【ULTIRA】プロモーション動画

イオンシネマが導入中の「高画質」「高音質」を謳う上映方式が「ULTIRA(ウルティラ)」です。

 

普通の映画館と比べるとスクリーンが大きく非常に精細で美しい映像が楽しめます。また、音響は立体音響をチューニングしたとてもクリアな音響で低音も十分、総じて高いレベルでの映画体験が可能です。IMAXの簡易版といった印象。

 

IMAXと違い特別料金を取られないので、コストを含めバランスが良く今のところブログ主イチオシの上映システムですね。座席は真ん中より後ろがオススメ。

 

似たような仕組みにTOHOシネマの「TCX」、シネマサンシャインの「imm sound」などがありますが、両方のいいとこ取りであるULTIRAがよいでしょう。幕張新都心や港北ニュータウン、春日部のイオンシネマにあります。