DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

Apple Watch Ultraは山登りで使えるか?

以前に、Apple Watch Ultraを購入した旨の記事を上げましたが、あれから山登りや普段の生活の中に取り入れ3ヶ月ほど使ってみました。その使用感をまとめてみたいと思います。

 

daydream2006.hatenablog.com

 

まず、結論から言うと、

「買って良かった。十分山登りに使える」です。

 

一言で言うなら「なかなか優秀なガイド」と言ったところでしょうか。後で詳しく述べていきますが、Apple Watch Ultraの機能を有効に使うことで、登山での安全を高めたり、各種サポートが充実したりします。

 

 

 

バッテリー持ちについて

 

スマートウォッチのバッテリー持ちに関しては大きな懸念点の内の一つでしたが、Apple Watch Ultraを使ってみると通常使用時で36時間とほぼ公称通りで、特に何かをしたから極端にバッテリー持ちが短くなる、と言ったようなことはありませんでした。

 

むしろ、ふだん使いでただ腕時計として付けているだけであれば、もっと持ちは良くなりますね。

 

Apple Watch UltraとノーマルのApple Watchとの最大かつ決定的な違いがこのバッテリー持ちの差だと言えます。Apple Watch 9で公称18時間のバッテリー持ちとUltraの半分になってしまうため、充電環境が制約される登山などの長時間のアウトドアアクティビティにおいては、このバッテリー持ちの差が使い勝手の大きな差になってしまうのです。

 

山行での使用に関して言うと、3日間の北アルプス長期縦走では途中で1回充電しましたが、それで問題なく使用できたため、バッテリー持ちに関してはまずまずの評価です。日帰り登山では朝に100%充電しておけば帰りまで余裕で持つと思います。

 

 

では、これから良かった点と改善して欲しい点を挙げていきます。

 

良かった点

 

スマホ取り出し回数が激減

 

登山中におけるスマホの格納場所って結構悩ましいですよね。私はザックのチェストポーチに入れていますが、時間や地図を確認する度に取り出すのは結構面倒くさい。

 

一番のリスクは登山道上でスマホを落としてしまうことです。私は合戦尾根で落として画面をたたき割ったことありますし、友人は表銀座の岩稜帯で奈落の底にスマホ落として取り返しのつかないことになりました。もはやスマホ無しの登山は致命的な人も多いのではないでしょうか。

 

ここでApple Watch Ultraがあれば時間や地図の確認も安全で楽ちんです。スマホを落としたり、バッテリー切れのリスクにもある程度対応できます。YAMAPなどをコンプリケーションに登録しておけば、Apple Watch上に一発呼び出しできます。

 

万歩計になる

 

不思議なことに、Apple Watchはなぜか単独で万歩計の機能がありません。歩数自体はフィットネスアプリのパラメーターとしてはあるのですが、コンプリケーションとしてリアルタイムに表示できないので不便なんですよね。

 

でも、こういうときこそ外部のアプリを入れれば解決します。私が愛用しているのは以下のアプリです。

 

Duffy - 歩数計コンプリケーション

Duffy - 歩数計コンプリケーション

  • Think Tank Productions
  • ヘルスケア/フィットネス
  • 無料

apps.apple.com

 

これの何がいいかというと、無料なのとコンプリケーションとして配置できるので、Apple Watchの画面に常に歩数が表示可能なところ。目標歩数を達成するとお知らせしてくれるのも便利。

 

確かYAMAPのアプリでも歩数計測できたと思いますが、山行時のみの歩数なので移動も含めた歩数計測などしたい場合はよいですよ。もちろん、ふだん使いにも。

 

GPSの精度が高い

 

GPSがとても正確で信頼性高いです。

 

Apple Watch Ultraは高精度二周波GPSとやらで精度を上げているようですが、普段のランニングやウォーキングで通ったコース情報が非常に精密かつ正確に記録され、iPhone側のフィットネスアプリから地図上にマッピングされた状態で参照できます。

 

以前使っていたスマートウォッチでは時々GPS記録が飛んだり不正確な記録だったりと、GPSロガーとしてはかなり使えない感じだったのですが、Apple Watch Ultraでは今のところそのようなことはありませんね。

 

山でもApple Watch内蔵の高度計と合わせてコンパス代わりに使うと、紙の地図上でも位置特定が簡単にできますので、とても便利です。登山者御用達の「山と高原地図」には緯度と経度が書いてあるので、磁北線とか気にせず初心者も簡単にApple WatchGPS情報から現在位置を知ることが出来ますよ。

 

登山中の心拍数を把握することでペース管理が出来る

 

Apple Watch Ultraで登山中の心拍数管理をしています。
これで何ができるのかというと、適切なペース配分です。

 

ソロ登山だと、登り初めを飛ばしすぎたりして後半バテバテになったり、全体的にペースが速くなりがちになって疲労が余計にたまってしまい、休憩を多く取らざるを得ないような状況になってしまった経験のある人も多いのではないでしょうか。

 

そこで、心拍数トレーニングの応用で、現在の運動強度を心拍数から逆算することで、オーバーペースになっているかどうか判断するのです。

 

どのくらいの心拍数を目安にするかは、年齢や持久力などいろいろな要素が絡んでくるので試しながら調整になるのですが、おおよそ年齢によって目安があるので、以下のサイトを参考に調整してみてください。

 

www.tyojyu.or.jp

 

山にもよりますが、私の場合はだいたい登山中の心拍数の上限を145bpm前後に設定しておいて、それを超えるようならペースダウンしています。そうするとあら不思議、疲労感の少ない登山が出来るというわけです。

 

日々のトレーニングの管理と最大酸素摂取量の推定ができる

 

心拍数の計測が登山中に有効だということは、上記に記した通りです。

ところで皆さん、登山に向けた体力作りを普段からされてますよね?

 

最近、登山の遭難ニュースなどでは、疲労で動けなくなったとか、下山中にバランスを崩して転倒滑落とか、およそ体力や筋力の不足から来る遭難事例が増えているように思います。100%の力を使い果たすような登山もこの予備軍ですよ。

 

そこで、そのようなことにならないようApple Watch + iPhoneで、トレーニングの成果を見える化することで、自身の体力や心肺機能などを常にモニタリングし、体力作りの指標やモチベーションにすべきです。

 

Apple Watchにて日々のランニングやウォーキングで収集されるデータから、iPhoneのヘルスケアアプリで最大酸素摂取量(Vo2MAX)を推定できるので、そこから自己の心肺機能がどの程度あるのか数値化された状態で確認できます。年齢によって平均以上/以下などの閾値が変わるので、低い場合はトレーニングで鍛えなければいけません。

 

科学的な指標からトレーニングの負荷を決定すれば、効率的な体力作りが可能になります。もちろん、現在の体力の指標にもなるので、体力不足に起因する遭難や事故を予防することがある程度可能になります。

 

電子マネーが使える

 

山小屋で電子マネーを使うのはまだ厳しいですが、行き帰りの公共交通機関運賃支払いや登山前後のコンビニや食事代金の支払いなどで、Apple Watch Ultraのウォレットに登録している電子マネーを便利に使っています。

 

ザックやポーチにしまっている財布やスマホを取り出さなくてよいのは本当に便利!

 

緊急時のSOS機能が充実

 

さすがにまだ使ったことはありませんが、Apple Watch Ultraは緊急時の機能が充実しています。例えば緊急連絡先への連絡をボタン長押しで出来たり、86デシベルの緊急サイレンを鳴らして居場所を周囲に知らせたりすることも可能です。

 

あと、スマホが使えなくなった場合の連絡・通信や現在地把握の代替手段としても使用可能です。実はこれでスマホのバッテリーが無くなった際に一回助けられています。重要な機能を二重化しておくことで緊急時にも対処可能になりますね。

 

なので、登山で使うならスマホと合わせてApple Watch Ultraも通信サービスに加入して、iPhoneなしの単独でも通信可能にしておくことを強くお勧めします。ahamoなら+550円/月(税込)で加入できます。

 

他にも良い点は色々ありますが、個人的にはこんな感じでしょうか。

 

 

改善して欲しい点

 

バッテリーの持ち

 

省電力モードだと60時間(Ultra2だと72時間)使えるようになりますが、省電力モードは使える機能が制限されるのでなるべく避けたいのですよね。通常使用で最低3日間は無充電で使えるようにして欲しいです。

 

最低動作温度

 

Apple Watch Ultraの最低動作温度が-20℃なのですが、早朝の冬山だとたまにこれを下回るので、-30℃くらいにしてもらえると安心して厳冬期の八ヶ岳に行けるんですけどね。

 

アクションボタン

 

一発でワークアウトを呼び出せるのは良いのですが、呼び出せる機能が少なすぎてまだ便利とは言い難いですかね。できれば、アプリケーションなど呼び出せるようにして欲しいのですが。

 

また、アクションボタンが大きく押しやすい位置にあるので、意図せず押してしまっていつの間にかワークアウトが始まっていたりすることがよくあります。慣れの問題なのかも知れないですが、誤操作が多くなりがちなのでボタンの位置や硬さなどを改善して欲しいです。

 

 

初めはデカくて重くて使いにくいかなと思っていましたが、使っているうちに慣れてきたのか、なんとも感じなくなってきました。むしろ、その存在感が所有欲を満たすので良いのではないかと。

 

Watch OSとApple Watch Ultraが今後どのように進化を遂げていくのか楽しみです。

【試乗記】MAZDA CX-60

注目のマツダ CX-60に試乗してきましたのでレポします。

 

www.mazda.co.jp

 

前にエクストレイルの試乗したからには、出た時期も近く、その直接のライバルになるであろうCX-60を試しておくのは必然でしょう。ということで、近所のマツダのお店で乗せて頂きました。

 

乗ったグレードはSKYACTIVE-D 3.3を搭載したXD-HYBRID Exclusive Sports 。

 

初めて見た第一印象は「でかっ!」です。

 

隣にCX-5が並んでいて比較できてしまったのがいけなかったのかも知れないですが、さすがの全幅1890mmは貫禄たっぷりで、特に正面のグリル周辺はボリューム感があって凄く大きなクルマに見えますね。

 

マツダのCXシリーズを踏襲したエクステリアは非常に端正で、相変わらずデザインは隙が無いなぁ、と関心していました。CX-5と比較するとよりグラマラスになった上に、品を感じさせるデザインですね。

 

インテリアも見せ方が上手い上に素材も良く、凄く上品で高級感ありますね。運転席と助手席の間のインパネが幅があって、なんとも言えない重厚感を醸し出していたのが印象的でした。レクサスでもなかなかないですよ、ここまでのは。

 

マツコネも昔、CX-5の出始めに乗った頃は酷いもんでしたが、画面も大きく解像度の高くなり見易くなりましたね。使い勝手までは分かりませんでしたが。

 

ラゲッジスペースも機能的で素晴らしかったです。特に出口と床面がフラットなのがよいですね。ここはエクストレイルと比較だとCX-60の勝ち!

 

MAZDA CX-60

 

では、試乗編です。

 

ここでの注目点はマツダの新型直6ディーゼルターボです。このご時世に、よくこんな大排気量エンジン作ったなといった時代錯誤感がたまらなく良いのですが、果たしてその実力は?

 

CX-5ディーゼルエンジンもそうでしたが、湧いてくるトルク感がたまらないエンジンに仕上がっていると思います。直6ということでとても滑らかな回り方をしますね。

 

一般道や高速の合流では十分な加速感を得られると思いますし、231ps/51kgをひねり出すエンジンの質感も上々に感じました。国産車でもここまでやれるのか!と。

 

いろいろ言われる足回りですが、私はそれほど違和感は感じませんでした。確かに硬めの足かな、とは思いましたが同乗者が不快になるほどとは思えず、あえて言えば内装含めた「高級感」からこの乗り味はどうなんだ、といわれればちょっと期待するモノとは違うという人もいるだろうな、ということかなと。

 

足回りはFRベースの4WDだということがすぐに分かりますね。特にコーナリングしているときに後輪が駆動している感じがとてもよく分かります。

 

ただ、乗り味の洗練具合は同じFRベースの4WDを出しているメルセデスBMWにはまだ一歩二歩譲りますね。価格帯が違うよとか言われそうですが、CX-60はハンドリングが軽めで、同乗した営業さんが「SUVロードスター目指した」とか言ってたのを思い出しましたが、もうちょっとしっとりとした落ち着いたハンドリングでも良いんじゃないかと思いましたね。これもイメージとの乖離。

 

あと、エンジンもBMWの直6の方があるときはもっと上品に、あるときはもっと獰猛に回ります。官能性やスポーティーさと言う面でもシルキー6にはまだまだ及ばない感じ。でも、貴重な国産直6には是非追いついて貰いたい。その素地は十分ある。

 

なので、良いクルマだなと思ったと同時に、もっと良くなるんじゃね?と思ったのも確か。もう少し熟成してからの方が楽しみなクルマなのは間違いないかと。マツダは年次改良してくるのでなおさら。

 

以上、CX-60試乗レポでした。

【試乗記】BMW X3 xDrive 20dとM40d (G01 LCI)

##G01 X3 xDrive 20dとM40dは2024年4月で生産終了になり、それ以降は在庫販売のみと発表されています。次期X3(G45)は2024年秋頃発表と予想されていますので新車が欲しい方はお早めに!##

 

BMW Tokyo BayにてX3を試乗してきました。

 

www.bmw.co.jp

 

試乗したのは現行G01 X3 xDrive 20d MspoとM40dで両車ともLCI後の2グレード。この他に30eも試乗車がありましたが、PHEVには興味ないのでパス。

 

試乗コースは両方とも高速コースで、首都高を台場から乗りレインボーブリッジを渡って浜崎橋から銀座経由で江戸橋JCTへ、さらに9号深川線から湾岸線に入り有明出口で下りるというコースでした。

 

個人的にもよく利用するなじみのある区間を通るので、チェックポイントを以下に定めて車を評価していました。

 

・台場入口からレインボーブリッジまでのランプウェイ区間の上りでの加速感

・台場入口合流のスムーズさ

・浜崎橋付近のコーナーから合流までのハンドリングと加速感

都心環状線銀座区間のトリッキーなコーナリングにおけるハンドリング

・9号深川線の直線での加速と木場付近の高速コーナーでのハンドリング

 

やはり、BMWほどの車になるとハンドリングや加速感(エンジンフィーリング)は高速道路で確認したいですからね。まさに今回の試乗区間はそれらを確認するに相応しいコースでした。

 

というわけで、まずはじめにxDrive 20d Mspoから。

 

X3 xDrive 20d M sport

 

現在のX3における事実上のエントリーモデルになっている20dですが、エンジンは190ps/400Nmを絞り出す2Lの4気筒ディーゼルターボエンジンを搭載したモデル。

 

エンジンのフィーリングは上々で、X3の大きなボディを軽々と転がすトルクフルなエンジン。一般使用には十分な力強さと軽快さを兼ね備えたエンジンでした。

 

ディーゼルの特徴である出力の出方の「もっさり感」が少なく、踏めば踏むほど回っていくような感覚は良い意味でディーゼルらしさがないです。ただ、低速域でのトルクの細さはちょっと気になったかも。

 

足回りもMspoだったので硬めですが、硬めの足回りが好きな私にはむしろちょうど良く「引き締まった足回り」という言い方のほうが適切かな、と感じましたね。

 

運転していても全幅1890mmのボディほどの大きさは感覚として感じられません。BMWらしくこぎみの良いハンドリングとあいまって、ミドルクラスのSUVといえど駆け抜ける喜びと、さらには扱いやすさも兼ね備えています。

 

十分なトルク感と優れたハンドリングで、首都高速銀座区間のクネクネしたところも楽しくいなしながら運転できますし、深川線の直線区間も気持ちよい加速で駆け抜けることが出来ましたね。

 

走りに関しては総じてバランスが良く、この後紹介するM40dほどのスゴさは無いものの、足として使うには十分で、BMWとしての運転の楽しさは十分味わえる非常にまとまりのあるクルマだなという感想とともに試乗を終了。

 

逆に悪いところとしてはやはり全体的に足回りが硬いので普段レクサスとか乗ってる人はどう思うかな、というところと、「十分」「必要十分」という表現からも分かるように外車ならではの速さとか、特別感のようなモノをこのモデルに求めるのはちょっと酷かなという印象です。

 

そういった意味では価格とのバランスが取れているかといったら、うーん、と考えてしまいますかね。

 

X3 M40d

 

BMWは同じモデルでもM Sport → M Performanceモデル(M135iとかM240iとか) → Mモデル(M3とかM4とか)の順番にスポーティーなバリエーションを展開しているのですが、M40dはX3におけるM Performanceモデルにあたります。

 

Mモデルはサーキット走行を意識したかなりスパルタンなモデル。対して、M Performanceモデルはそこから一歩引いた性能にはなりますが、実用性を兼ね備えたモデルです。外車ならではの速さや高性能をBMWで味わいたい人はM Performanceモデルからが対象になるかと。

 

X3 M40dは他のドイツ御三家の同じコンセプトの車だと、メルセデスだとGLC 43、アウディだとSQ5に相当する車ですね。

 

シルキー6を搭載したM Performanceモデルのお手並み拝見という感じだったのですが、いきなり衝撃を受けました。はっきり言いますが、このクルマはスゲーです。20dと同じX3なのか?という感じ。

 

どれくらいスゴかったかというと、首都高の台場の入り口から合流までのランプウェイで思いっきり加速していったのですが、その加速の凄まじさに同乗者と笑いが止まりませんでした。ドドンパ並みっすよこれ。

 

暴力的な加速と言えば、私は以前インプレッサWRX STIに乗っていたことがありますし、リッターバイクにも乗っていたことがあるので、この手の四輪車の加速はある程度想像できるし、リッターバイクほどじゃないだろと予想していたのが、こいつは想像を超えてきました。

 

340ps/700Nmのパワーを絞り出す、BMW 3リッター直6ディーゼルターボの威力は半端なかったです。だいたい、トルクが700Nmってなんなんなん?!

 

700Nmということは、ちょっと前までの表記だと71.4kgm!そりゃ、2t以上ある重量級のボディでも弾けるようなダッシュを決められるわけです。0-100km/h加速が4.9秒とかSUV離れした数値になるわけですよ。

 

もう、試乗中はこのエンジンに完全に魅了されていましたね。合流や追い越しでの加速感は言わずもがな、だからといって扱いづらさは一切無く、思いのままに溢れ出るようなトルクを操るこの快感はクルマ好きであれば一度は味わうべきものですね。

 

試乗でも江戸橋JCT手前の上り坂で前走車に引っかかって追い抜きをかけたのですが、アクセルをちょこんと踏んだだけで、上り坂とは思えぬ中間加速で一気に置き去りにしてしまったのは圧巻でした。その滑らかかつ極太のトルク感は高出力モーターでも付いてるのか?と本気で疑うレベル(M40dはマイルドHVなので小さいモーターが付いてはいますが、、)。

 

踏めば踏むだけ応えてくれるこのエンジンは絶品。ディーゼルエンジンの既成概念が完全に吹っ飛びました。ディーゼルエンジンだなんて言われないと分からないくらい回るし、レスポンスも素晴らしいです。エンジン音もなかなか高揚感ありますしね。

 

電子制御サスを搭載するモデルなので、パフォーマンスコントロールで足の硬さは変わりはするのですが、Mspoモデルと同じくコンフォートでも比較的硬めの足回りとなっています。でも、不快さやガチガチな感じはないですね。このスポーティーなエンジンに軟弱な柔らかサスは想像できないのでこれでいいんです。

 

車重が2tあるからか重厚でどっしりとしたフィーリング。その重量からか、そこはかとなく高級感さえ感じる乗り味です。

 

ハンドリングもエンジン同様、とても良いです。サイコーです。クイックかつ適度な重さのあるハンドルの操作感は、銀座区間のクネクネと木場付近の高速コーナーで威力を発揮します。

 

非常に高い安定性と運動性をもたらす引き締められた電子制御サス、BMW独自の状況に合わせ最適な駆動力を前後輪に振り分ける四輪駆動システムであるxDrive、コーナー脱出時に後輪左右の回転差を検知し電子制御で低減させるMスポーツディファレンシャル。

 

これらの組み合わせにより生み出されるスタビリティの高い乗り味を知ったら、もう意味なくコーナーに突っ込んじゃいますね。この感じだと峠でも間違いなく楽しいクルマですよ。SUVなのに。

 

xDrive 20d Mspoとは価格差140万円でM40dが手に入れられるのはちょっとマズイですね。自分ならこの差に140万出しちゃうかなぁ。クルマとしての魅力は金額差以上の差があるし、走りの快感と所有感は別格ですよね。

 

 

今回は試乗記なので主に走りの面に関してレポートしましたが、M40dは本当に衝撃でしたし、魅力的なクルマでした。SUVでもこんなクルマ作れるんだと。

Apple Watch UltraとGARMIN fenix7X

9月8日のAppleイベントで発表されたApple Watch Ultraですが、遂にアウトドア屋に刺さる新しいプロダクトが出てきましたね。

 

 

www.apple.com

 

私はトレッキング、山登りとも言いますが、そのあたりを趣味にしていますので、実益も兼ねたプロダクトとして発表直後にポチってしまいました。

 

でも、よくよく考え直してみると実は私はアウトドア用のスマートウォッチで過去に痛い目に遭っているので、Apple Watch Ultraが本当に自分に合っているのか改めて検証してみようかと思います。高い買い物ですしね。

 

 

 

過去にあった痛い目とは?

 

何年か前に登山用のスマートウォッチとしてCASIOのPRO TREK Smart WSD-F30を購入したことがありました。

 

daydream2006.hatenablog.com

 

outdoorgearzine.com

※もう販売終了しているモデルで商品ページがない為、紹介記事載せています

 

初めはYAMAPと連携して便利に使ってはいたのですが、電池の持ちがあり得ないくらい短くて、一回の充電で数日間の縦走どころか1日すら持たなかったのと、GPSのログ取得が不安定で信頼性に欠けるところから、数回使っただけで結局使わなくなってしまいました。

 

もう既にCASIO自身がPRO TREK用のスマートウォッチの開発と販売から完全に撤退してしまったことから、結局はこのシリーズは売れなかったのでしょう。さもありなん。

 

そんなことから、自分自身もスマートウォッチは登山などエクストリームな用途には向かない、という烙印を押してしまっていたのでした。

 

 

Apple Watch Ultra vs CASIO PRO TREK Smart WSD-F30

 

で、先日出てきたのがApple Watch Ultraです。

 

Appleが出してきたアウトドア用途のスマートウォッチですが、WSD-F30の悲劇は繰り返されてしまうのでしょうか?

 

改めてスペックを比較してみましょう。

 

Apple Watch Ultra vs CASIO PRO TREK Smart WSD-F30

 

Apple Watch Ultra 

CASIO PRO TREK Smart

WSD-F30

発売年

2022年

2018年

ケースサイズ

49mm

53.8mm

防水性能

100m耐水

5気圧防水

バッテリー

通常:36時間(最大60時間)

通常:1.5日

30日(マルチタイムピースモード)

GPS

高精度二周波GPS   [GPS(L1/L5)、GLONASSGalileo、みちびき、BeiDou]

GPSGLONASS、みちびき

耐環境性能

MIL-STD-810H

耐低温仕様:-20°

MIL-STD-810G

耐低温仕様:-10°

搭載センサー

血中酸素、心拍、皮膚温、高度、

加速度、ジャイロコンパス、水深、水温

気圧計、高度計、方位、

ディスプレイ

LTPO OLED常時表示Retina

(410x502pix)

1.2インチ2層 有機EL+モノクロ液晶

(390x390pix)

重量

61.3g

約83g(バンド含む)

OS

watch OS

Wear OS by Google

 

意外だったのが、大きさはApple Watch Ultraの方がやや小ぶりなんですね。

 

比べてみるとバッテリーの持ちは同じくらいですね。ただ、WSD-F30はアプリを使いながらですと1.5日も電池が持つことはなかったので、同じ条件でApple Watch Ultraがどこまで持つのか次第かと。

 

個人的には一回の充電で最低でも3日間はバッテリーが持って欲しいです。最近の登山ではスマホが必須装備になっていることから、モバイルバッテリーからスマホ以外への充電を極力減らしたいですから。

 

なので、このスペックをそのまま受け取ると同じ悲劇を繰り返しそうだ、、、

 

 

Apple Watch Ultra vs GARMIN  fenix7X Sapphire Dual Power

 

 

では、本題のGARMINとの比較にいってみましょう。

 

ここで比較するのは、価格帯も機能もほぼ同等と思われるGARMIN fenix7X Sapphire Dual Powerです。

 

www.garmin.co.jp

 

Apple Watch Ultra vs GARMIN fenix7X Sapphire Dual Power

 

Apple Watch Ultra 

GARMIN fenix7X

Sapphire Dual Power

発売年

2022年

2022年

ケースサイズ

49mm

素材:チタン

51mm

素材:FRP

防水性能

100m耐水

10ATM(100m防水)

バッテリー

通常:36時間(最大60時間)

スマートウォッチモード:約28日+約9日

バッテリー節約モード:約90日+約1年

GPS

高精度二周波GPS  [GPS(L1/L5)、GLONASSGalileo、みちびき、BeiDou]

マルチバンドGNSSサポート [GPSGLONASS、みちびき、Galileo]

耐環境性能

MIL-STD-810H

耐低温仕様:-20°

MIL-STD-810G

耐低温仕様:不明

搭載センサー

血中酸素、心拍、皮膚温、高度、

加速度、ジャイロコンパス、水深、水温

血中酸素、心拍、気圧高度、

加速度、ジャイロ、コンパス、温度

ディスプレイ

LTPO OLED常時表示Retina 

(410x502pix)

1.4インチ 半透過メモリインピクセル

(260x260pix)

重量

61.3g(ケースのみ)

61g(ケースのみ)

OS

watch OS

独自OS

価格

¥124,800

¥137,000 (Ti Carbon Gray DLC/Black)

 

同じ2022年発売の製品だけあって機能的には見劣りしない両者ですが、バッテリーの持ちはfenix7Xの圧勝ですね。fenix7Xはいろいろなモードを持っていて、それぞれでだいぶ電池の持ちが異なるのですが、ソーラー発電機能を持っているのでその分より長く稼働させることが出来ます(バッテリーの+以下の日時)。

 

それにしても、この電池の持ちは魅力的すぎますね。普段使いでも下手すると月に1回充電すればOKレベルですからかなり手間いらずかと。

 

結論

 

fenix7XはApple Watchほど派手な演出やスマートウォッチとしての機能はありませんが、搭載機能にそつが無く全体的にデザインもUIもシンプルでムダがない印象を受けました。

 

確かに、登山しているときには知りたい情報をパッと見ることができればよいので、fenix7のシンプルさはむしろ評価UPかも知れません。

 

Apple Watch Ultraとfenix7Xを天秤にかけたとき、どちらを評価するかは購入者次第ですが、考えるべき点としては以下の3つかと。

 

1.バッテリーの持ち

2.見やすさ

3.使いやすさ

 

バッテリーの持ちという意味で、山での長期縦走だけ考えればfenix7Xしかないです。もうこれは単純にスペックの差なのでどうしようもない。

 

見やすさという意味だと、カラーOLEDを画面に使用し、2000ニトの明るい大型の常時表示画面を持つApple Watch Ultraに軍配が上がりますね。

 

 

使いやすさですと、山以外での一般的な使用も考えるのであればiPhoneなどのApple製品との相性の良さやスマートウォッチとしての性能の高さ、デザインからApple Watch Ultraも魅力的です。

 

なので、MaciPhoneを使っているAppleユーザーとしては、山以外の利便性も魅力なので、このままApple Watch Ultraを購入してみて、どこまで使いこなせるかチャレンジしてみたいと思います。実は初Apple Watchだったりしますし、ダメなら速攻売れば良いし。

 

どちらもスマートウォッチですので、今後機能追加も行われるでしょうからどのように発展していくか楽しみです。どうもApple Watch UltraはGARMINの上級モデルを参考に開発しているような気がするので、うまいこと競争してもらえるとよいのですが。

 

 

【試乗記】エクストレイル(T33)

##この試乗記はブログ主の主観で構成されています。一般的な見解ではない、感じたままの好き勝手を述べていることをご了承ください##

 

以前このブログに購入記を書いたフォレスター(SK)もそろそろ5年目。来年の車検が2回目となるので買い換えを考え始めています。

 

いつもなら時期的に早いのですが、今は半導体不足などの影響もあり納車に時間が掛かるケースがほとんどなので、今ぐらいから考え始めておかないと乗りたい車に乗れなくなってしまいますからね。特に、狙っているクルマはそれが顕著なのでなおさらなのです。

 

というわけで、初回は日産エクストレイル(T33)です。やっとこの7月にモデルチェンジしたので興味津々で日産ディーラーを訪れました。

 

www3.nissan.co.jp

 

 

エクストレイル(T33)の第一印象

 

Webなどで写真は見ていたので、エクステリアの概要は把握していました。最近の日産・三菱系の顔と言いましょうか、モダンと言えばモダン、押しが強い系の迫力顔は好みが分かれそうな。

 

実物を見ると印象が変わる車もありますが、エクストレイルは良くも悪くも実物の印象はそのままでした。

 

先代はどちらかというと全体的に丸いイメージがあったのですが、新型もボディ形状はそのまま先代を引き継いだ柔らかい線のボディに、キャラクターラインが入った感じですね。エクストレイルらしくて良いです。

 

リアはややのぺっとした印象ですが、品がある感じで嫌いではないです。

 

横幅が2cm広がっているせいで大きく見えますが、前後縦方向には縮んでいるようなので、塊感は先代の方があった気がします。

 

試乗の感想

 

試乗したのはGグレードの4WDモデルでした。

 

街中を短距離乗っただけですが、e-4ORCE搭載で動力系が普通の車とは違うので、その違いを確かめるべく試乗に望みました。

 

良かったところとしては前後2つのモーターのトルク感でしょうか。一呼吸置いて「ぐわっ」と一気に加速していく様はこのクラスのSUVではなかなか味わえないモノです。これなら高速での合流や加速でも問題ないでしょう。

 

また、乗り味がマイルドで同乗者に優しい所でしょうか。街乗りしていても突き上げなど不快感は一切無かったです。e-Powerの静粛性とともに、ハンドリングは素直で乗り味に高級感も感じました。

 

なので一見良さそうなのですが、正直言うとこれって私好みの乗り味ではないんです。私の好みは足はカチッとしてしなやかさがあり、お尻やハンドルから道路の状況が伝わってくるような乗り味が好みなのですが、このエクストレイルは真逆。

 

また、加速も一呼吸置いてから来る感じなので、クイックなレスポンスを求めている人にはちょっと物足りないかも。

 

ボディ剛性は感じるのですがサスがふわっとしていて、道路の凸凹を吸収してくれる代わりに接地感やダイレクト感はあまりありません。4WDモデルだから?

 

内装や装備について

 

全体的にシンプルにまとめられていて、やたらボタンが多い今乗っているフォレスターの操作系に比べたら好感が持てます。HUD(ヘッドアップディスプレイ)がGグレード標準装備なのは素晴らしいです。

 

Gグレードともなると必要な装備はほとんど付いていて、あとはパノラミックガラスルーフとBoseスピーカー追加するくらい。

 

しかし、内装に関しては、なんというか、値段なりというか、コミコミ500万以上する国産車にしてはもうちょっとどうにかならなかったのか、と。内装は「良い」と聞いていたので期待していたのですが、期待が高かっただけなのか?うーむ。

 

具体的にはプラスチックと合皮の部分が分かりやすいのですよね。助手席前のウッドのように見える部分がプリントだったり、革かと思ったところがよく見ないでもすぐ分かる合皮だったりと、「おや?」という所が随所にある感じ。コストカットの影がいろいろ見えてしまうんですよね。このあたりはマツダが上手くてCX-60とか神レベルなんですよねー。

 

あと、内装がシンプルなのが逆に質素に感じてしまうと言うか、もう少し造形とか見せ方に工夫があっても良いのでは、と感じました。ハンドルとかインパネ回りは特に。

 

カタログで見るような内装に高級感を出したいなら、ナッパレザーにしないと厳しいかも。

 

使い勝手

 

プロパイロットは使う機会が無かったので評価できないですが、SUVとしてある意味命であるラゲッジのユーティリティは先代より退化しているのでは?

 

正直、ラゲッジの機能や質はフォレスターの方が全然良いです。ラゲッジ下の収納スペース狭い、フック類無し、荷室側から後席倒せない、後席を倒してもフラットにならない、扉が閉まるスピード遅いなどなど。100V電源付いているくらいじゃないですか、良い所は。

 

そのことについて、営業さんは「このモデルでは街乗りを意識したから」と言ってましたが、本末転倒にも程があるでしょ。そもそも何のための車だよ。今回最大の萎えポイントでした。

 

あと、エンジン始動前にシート調整してからSTARTボタン押すと、シートが調整前の位置に戻されるのは一体?

 

総評

 

試乗の結果「エクストレイルは買い換え対象にしない」という結論になりました。

 

個人的な評価としては「e-4ORCEに全力投入した結果、SUVとしてのバランスが微妙になった車」という印象でした。このあたりの技術を評価するか、価格やユーティリティとのバランスを重視するかで大きく評価が分かれる車だなと。

 

確かにe-4ORCEは凄いです。燃費は微妙ですが、今理想の動力系でしょう。でも、それ以外はどうなの?と問いたい。この車、非常に高く評価されていますが、その世間の評価が技術的なところとか乗りやすさに偏っていて、SUVとしての使いやすさとかユーティリティに関してあまり言及されないのは解せませんね。

 

今後の改良で質を上げていって欲しいと思います。

Apple Studio Display来る

Apple Studio Displayがやっと届きました。待つこと3ヶ月、うーん、長かった。

 

Studio Display

 

実際、4月の頭に某大手家電量販店のネットストアで注文していたのですが、2ヶ月待ってもウンともスンとも反応がなかったので、注文取り消した後の6月にApple Storeで再注文しました。これが吉と出ましたね。

 

やっぱり、Apple製品を確実に手に入れたいならApple Store一択です。ポイントは惜しかったですが、いつ来るか分からないのはストレスですから。

 

早速、開封してみるといつにも増して製品毎に設計されたであろう、精巧な作りの段ボールのパッケージにホレボレです。

 

開封

 

箱を開けてみたら意外とコンパクト。今年の初めまで、もはや骨董品と化していたLED Cinema Displayを使っていたのですが、画面は同じ27インチなのにそれより全体的にコンパクトかつ軽い印象です。

 

外観としてはディスプレイ部分のフチが最近のトレンドからするとやや太めで賛否あるようですが、ある程度フチがあった方が画面とそれ以外の境界がはっきりして個人的には好みです。

 

EIZO EV2785をサブディスプレイとして使っており、フチがとても薄いのは良いのですが、画面と後の背景の境がないので背景がうるさく感じるときがあるんですよね。

 

左:EV2785 右:Studio Display

 

Appleの歴代27インチディスプレイ比較

 

今まで私が使ってきたApple純正27インチディスプレイを一覧にしてみました。

 

今まで使ってきたAppe製27インチディスプレイ一覧
  LED Cinema Display iMac 27inch(2019) Studio Display
購入年 2010年 2019年 2022年
解像度 2,560 x 1,440 5,120 x 2,880(Retina) 5,120 x 2,880(Retina)
輝度 375ニト 500ニト 600ニト
表示色数 約1,670万色 10億色対応 10億色対応
色域 不明 広色域(P3) 広色域(P3)
USBポート USB2.0 x 3 Thunderbolt 3(USB-C)ポート x 2
USB3 x 4
Thunderbolt 3(USB-C)ポート x 1
USB3.1(USB-C) x 3
スピーカー 2.1チャンネルスピーカーシステム(最大49W) ステレオスピーカー フォースキャンセリングウーファーを備えた原音に忠実な6スピーカーシステム
カメラ マイク付きiSight内蔵 FaceTime HDカメラ 12MP超広角カメラ
マイク マイク付きiSight内蔵 マイクロフォン 高い信号対雑音比と指向性ビームフォーミングを持つ、スタジオ品質のアレイ
サイズ(HxWxD/cm) 49.1x65x20.7 51.6x65x20.3 47.8x62.3x16.8
重量 10.7kg 9.42kg 6.3kg

 

LED Cinema Displayは10年以上前のディスプレイだけあって、性能的にも古さは否めませんが、スピーカーは意外と頑張っていた感じですね。Appleの27インチディスプレイは伝統的にスピーカーが「ディスプレイ内蔵としてはかなり高性能」で、こだわらないのであれば普段使いで十分な音質が得られます。

 

iMac 27inchあたりからStudio Displayを比較すると、ディスプレイの性能としてはほぼ同じスペックと言っても良く、両者ともRetinaディスプレイと言うこともあり解像感が高く、文字や画像などもとても見栄えのする写りがします。

 

ちなみにStudio Displayはスタンドを選択できますが、自分は高さ調節まで必要を感じなかったので傾き調整のみのスタンドをチョイスしました。これは高さ調整出来なかったiMac 27inchを使っていた経験からの判断で、実際使用していても違和感は感じません。使用環境にも依ると思いますのでお好みで決めれば良いかと。

 

そして、スピーカー関してもiMac 27inchとStudio Displayとも、音質的にそんなに違いは無いという印象です。Studio Displayの方がやや低音が強めか。

 

ただ、Studio Displayに関しては空間オーディオに対応しているので、Apple MusicやAmazon Prime Videoでドルビーアトモス対応の音楽や映画などを見ると、自動的に包まれるようなサウンドになって実に素晴らしいです。

 

通常のステレオ音源再生でもかなり音の解像や塊感はあるのですが、空間オーディオだと顔の周りで立体的に音が鳴っているような感じで、左右だけでなく奥行きがばっと広がるような感じなんですよ。特に中低音域の広がりが心地よいですね。

 

カメラに関してはHD相当(おそらく7〜8MP)から大幅なスペックアップに見えますが、以前話題にもなったように解像度が上がっている割には(対策アップデータを当てても)画質はイマイチで、超広角カメラというのとセンターフレームが悪さをしているという噂も納得の仕様でした。

 

個人的にはこの手のカメラに画質はそこまで求めませんし、綺麗すぎてもどうかと思うのですが、それにしても低照度に弱すぎるし、画質も補正している感が強くてお世辞にも良いとは言えません。

 

そしてマイクですが、Studio Displayのマイクは歴代のディスプレイよりはかなり良いと思います。iMac 27inchのマイクでも声の高音部が時折キンキンするような機械的な音になってしまっていたので、お世辞にも良いマイクとは言えませんでした。

 

一方、Studio Displayのマイクはだいぶ自然な感じで声を拾うので、HandoffでiPhoneに掛かってきた電話を受けても全然問題ないですし、リモート会議用のマイクにしても十分使えますね。

 

全体的に性能としてはビックリするほどハイスペックというわけではありませんが、Apple製品との組み合わせで威力を発揮するので、デスクトップMacをお持ちの方、もしくはMacBook Proの外部ディスプレイとして使うと幸せになれるでしょう。

 

ただ、お値段がアレ過ぎる(約22万円〜)ので無理に買うものでも無いかと。Apple信者としての信仰心を試される一品です。

 

Mac Studioを購入してみた

やはり、やらかしてしまったか、、、

 

今までメイン機種としてiMac 27inch(2019)を使っており、そろそろApple Siliconを搭載したiMac 27inchへの買い換えを考えていたのです。しかし、どうもこのままだとiMac 27inchの後継機が出そうもないので、思い切ってMac Studioへ移行することにしました。

 

のっぺり正面からのMac Studio

 

今回はある程度様子見してから購入するか判断したのですが、それが裏目に出てしまい注文してから納期がだいぶ掛かってしまいましたね。半導体不足の仕業か〜。

 

それでも、4/2にApple Storeで注文して4/29に到着しました。注文時は5/16以降に到着予定だったのでだいぶ早まりはしたのですが、GW初日に到着とはAppleも随分と気を利かせてくれたものです。

 

やっぱり、M1 Ultra、、と行きたかったところですが、自分にはオーバースペック&予算オーバーなので、M1 Maxの32コアGPUモデルにしました。

 

スペックは以下の通り

 

SoC:M1 Max 10コアCPU / 32コアGPU / 16コアNeural Engine
メモリ:32GB
ストレージ:2TB

素人にはこれでも十分すぎるスペックかと。

 

このMac Studioが我が家初のApple Silicon搭載Macなのですが、それなりの値段はしたものの、噂通りの実力ぶりにとても満足のいく買い物だったと思っています。

 

どのあたりで満足しているのか、少し詳しく書いてみましょう。

 

Good : ぶっちぎりの快適さ

 

普通にMac OSを操作しているだけで、その違いが分かりますもんね。もう、あらゆる操作のレスポンスが早い早い。ストレスNothingですよ。

 

起動、アプリケーションの立ち上がり、処理などどれもキビキビしていて快適そのもの。Intel Macとは何だったのか、思わず考えてしまったほど。

 

昔のPowerPC(601とか603とか)からPowerPC G3になったときの衝撃を思いださずにいられません。あの時も今までは何だったのか状態でしたから、それ以来の衝撃が体内を駆け巡りました。

 

Good : 爆速Final Cut Pro

 

いくつかアプリケーションをMac Studioで使ってみましたが、速度向上で顕著だったのがFinal Cut ProとLightroom Classicの爆速ぶりでした。

 

以前作成した4K動画をFinal Cut Proで再編集してみたのですが、あり得ないくらいのノーストレス編集に笑ってしまったほど。今までは撮影した映像を、一旦軽いメディア(Intermediate Codec)に変換してから編集を始めていたのです。それだけ4K映像の編集は負荷が高かった。

 

ところが、Mac Studioは軽々と4K映像を元のファイルのまま編集できるだけでなく、トランジションやエフェクトは軽いものであればリアルタイムレンダリングでそのまま再生出来てしまうしでもう大変。

 

Lightroomも今までは、フルサイズ一眼で撮影したそれなりに大きなファイルサイズになるRAW画像は現像が必要なので、表示する前にラグがあったのですが、それがほぼ無くなりました。まじかよ。

 

今まで操作や待ち時間でストレスに感じていた映像や画像編集系のアプリに関して、劇的と言って良いほどストレスが減りました。そのあたり仕事にしている人はM1 Max以上は必須でしょうね。それほど生産性が違ってくると思われます。

 

Good : 静かすぎる動作音

 

とにかく静か。今まで使っていたiMac 27inch(2019)で動画編集していると、かなりの頻度でファンが盛大に音を立ててブン回ってました。ところが、Mac Studioで動画編集していても全くファンが唸りません。ホントにファン付いてるのかと思うほど。

 

Mac Studioにはファンが付いているらしいぞ

 

 

などなど、とにかくその処理速度に圧倒されています。では、良いことばかりなのか、というとそうでもないです。良くない点も挙げてみましょう。

 

Bad : WiFiが遅い

 

その作りからなのか、WiFiアンテナの性能がiMac 27inchよりも悪いみたいで、転送レートが低くなってしまいました。

 

iMacでは802.11acで1000Mbps弱は転送レートが出ていたのですが、Mac Studioでは同じ場所でも600Mbps弱くらいしか出ませんね。

 

安定した転送レートが欲しいならEthernetケーブルでネットに接続が良さそうです。

 

Bad : キーボードとマウスが付属しない

 

プロ用だから、と割り切れるのかなー。これで純正の黒いMagic MouseとMagic Keyboardを買うとなるとプラス3万円くらいするんですよね。安い買い物じゃないんだからそのくらい付けてくれても良かったのでは。

 

Pro用のMacと言えば黒

 

Appleはありものを繋いでくれとは言いますが、やはりPro用の周辺機器にコーディネートしたくなっちゃいますよね。

 

Bad : その存在感

 

決してダメなところと言うわけではないのですが、Mac Studioは家に置くと思った以上に大きく感じます。弁当箱より大きく、重箱より小さい感じ。

 

こんな感じ(モニタは27インチ)

既述のように、Mac Studioから発生するノイズはほぼ無いので、不快な存在感は全くないです。とは言え不思議と塊感のある物体なので、慣れるまでに時間が掛かるかも知れないですね。

 

今回、Studio Displayも一緒に発注しておいたので、一通り揃ったらまたレビューしてみたいと思います。しかし、Studio Displayも大人気なのか半導体不足のせいなのか、いつ来るのか全く分からない状態なんですよね(Apple Store的には5月下旬頃らしいが)

 

ではでは。