DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

ロシュフォールの恋人達

Rochefort自分にとって「ミュージカル」というジャンルは鬼門なのですが、やっぱり例外は存在するようです。それがこのフランスのミュージカル映画ロシュフォールの恋人達(Les Demoiselles de Rochefort)」なのです。

この映画を見て気が付いたのは私は「ミュージカル」が嫌いなのではなく「米国製ミュージカル」がダメだということ。その米国製の代表作といえば「ウエストサイドストーリー」だと思うのですが、これを最初に見てしまったのがいけなかった。演劇の途中でいきなり台詞が歌になるなんて、しかもなんか踊ってるし、、、とタモリじゃないけど自分もそのへんに生理的について行けなくて、以後ミュージカルは私的つまらないジャンルの烙印を押されてしまいました。結構いるみたいですね、こういう人。

私はクラシックを聴くのでこのウエストサイドストーリーの作曲者であるR・バーンスタインはよく知っているのですが、個人的にこの人は指揮者としては一流かもしれないですが作曲家としては「?」ですね。なんかこの人のオーケストレーションって余り美しくないというか、現代の人なのに粋な感じがしない。

で、「ロシュフォールの恋人達」ですがこちらの作曲はあのミシェル・ルグランです。バーンスタインもクラシックとかジャズとか知っていて音楽家として懐の広い人ですが、ルグランとバーンスタインを比較すると指揮者としての素質以外はすべてルグランの方が上であると私は思っています。

じゃあ、「ウエスト〜」と「ロシュフォール」のどこが違うのかですが、この映画はとにかく音楽が素晴らしい!!有名な前作「シェルブールの雨傘」も素晴らしいですが曲調が明るいロシュフォールの方が私の好みですね。特にオープニングの「キャラバンの到着」や劇中歌「双子姉妹の歌」「夏の日の歌」はジャズの要素を思いっきり取り入れた何とも小粋な一品です。それだけでミュージカルの矛盾を吹っ飛ばしてます。米国製ミュージカルの象徴であるジーンケリーやウエストサイドストーリーに出てたジョージチャキリスが出てることなんてどうでも良くなってきます。オイオイ

内容的には良くありがちな恋人同士のすれ違いドラマで、どうしてまぁこんな小さい町(ロシュフォールは実在する町の名前)でこれだけすれ違えるものかと感心してしまうほどなのですが、恋に盛り上がっていく様とかお祭り気分とか、とにかく「人生楽しければそれでOK(C'est la vie)」的なドラマなので深いところは気にしてはいけないのです。フランス的色彩美やドルレアック姉妹・・・妹はあのカトリーヌドヌーブ、のかわいらしさに素直にやられましょう。

こんなマニアックな内容のブログにTBやコメントが付くか疑問ですが、たまには濃い内容も自己満足値MAXでいいですね(笑