というわけで、ついに最終回を迎えた「たまこまーけっと」です。
何のことを言っているのかわからない方は、次回の車やApple関連の記事にご期待ください。
■感想とか
面白かったです。殺伐とした社会人やってると、現実逃避先としてこういうのは必要。
いわゆる群像劇なんだけど、きちんとキャラ立ちしている登場人物や気の利いた演出など随所に見られて全体的にクオリティ高かったですよね。演出もちょっとおしゃれなところとかあって、安心して見ていられるのはさすがの京アニクオリティでした。
■もはや深夜アニメじゃない
この作品を見ていて、山田監督はいわゆる典型的な深夜アニメの枠にとらわれないアニメ作ろうとしているのが「ひしひし」と伝わって来ました。実際、日曜の夕方に流れるアニメだと言われても誰も不思議に思わないだろうし。
もう日本のアニメは文化です。いい大人も鑑賞するエンタテイメントなので、大人の鑑賞に耐えうる(ちなみにここで言う大人とは、普段深夜アニメとか見ない大人のことです)アニメをガンガン作っていただきたいなと。
総じて日本の実写ドラマは問題を抱えている(予算とか脚本とか)のでもはや期待できないし。多分もう才能のある人が集まってこないんだろうな。
■みどりとかんな
この作品、結構主役である「たまこ」が空気というか、何をするわけでもない明るいけど地味な娘なので、この子だけ追ってると物凄く話が淡白になってくる。
でもそこは群像劇。周りを取り巻く愉快な仲間たちが魅力的なんですよね。特にいつも一緒にいる「みどり」と「かんな」が凄く良い。
みどりはそのアンニュイさが魅力ですよね。たまこが商店街の人々との関わったり、もち蔵に好かれたりして、どんどん自分から離れていってしまうそんな親友に思い悩む姿が「幸せいっぱい」のこの話に深みを与えているなと。ある意味一番大人っぽいふりしていて、実は精神的には一番子供。
(この「みどり」の「たまこ」への感情や行動は説明されないのでいろいろな解釈がされているんだけど、私は単純に大人になりきれないみどりの寂しさからくる一種の防御本能のようなものだと勝手に解釈しました。「大親友であるたまこが、私の手の届かない違うところに行ってしまう寂しさ」的な。)
一方、かんなは超が付くゴーイングマイウェイでちょっと一風変わった娘なんだけど、アニメのキャラとしては立っていてこれもまた魅力的な娘。初めはこんなにおもしろい子だとは思わなかったけどね。
■でもねぇ
ただ、正直に言うと全体的に散漫で一本調子な感じがしたのは否めないかと。特に、たまこたちの日常生活とデラたちのお妃探しの話があんまり噛み合っていないような感じがして、この辺りが収斂するはずの最終回とか腰砕け感あり。「あ、それでいいの?!」みたいな。
あと、欲を言えばあざとくてもいいから感動回みたいなのを入れて欲しかったな。たまこの両親の話は良かったけど、「心地はいいけど印象には残らないアニメ」になってしまっている気がする。
コメディならもっとコメディ然として欲しかったし、青春日常系ならみどり以外のキャラがちょっと軽い気もする。
■最後に
あぁ、契約更新しますか。そうですか。
個人的には「演奏再開」の方が嬉しいけど3期はやってほしくないジレンマ。
<<追記 2014.10.13>>
このアニメの映画版「たまこラブストーリー」を見た
凄い、凄いよ、山田監督。このアニメをここまで昇華させるなんて
思わずBlu-ray買っちまった