#今年も超長文です
なんと3年目ですよこのゲーム始めてから。未だかつて私の人生の中でこんなに長い時間、ちまちまとですがやっていたゲームは光栄のPC版三国志シリーズ以来かも。
と言うことで、このブログの8月15日の恒例行事、3回目の『「艦これ」を通して終戦記念日に思ったこと』です。
思い返せば1年目がレイテ、2年目がクロスロード作戦のお話だったのですが、今回は終戦70周年と言うことで艦これの艦娘No.70のこの娘に出てきて頂きましょう。
"Ushio II" by Shizuo Fukui - Kure Maritime Museum, Japanese Naval Warship Photo Album: Destroyers, edited by Kazushige Todaka, p. 69.. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.
潮は特II型(綾波型)駆逐艦の10番艦として浦賀船渠にて建造されました。
1931年(昭和6年)に就役。同型艦の朧・曙と共に第七駆逐隊を編成し、太平洋戦争以前は中国戦線で活躍しています。ちなみに、漣が七駆に加入するのはもうちょっと後になります。
太平洋戦争では真珠湾攻撃の陽動としてミッドウェー島砲撃を漣と共に敢行。その後はスラバヤ沖海戦に参加し敵潜水艦を撃沈、五航戦の護衛として珊瑚海海戦に参加、極めつけは第一次ソロモン海戦の端緒となるルンガ沖突入を七駆旗艦として実行するなど、序盤戦で大いに活躍します。
艦これでのキャラの法則に「武勲艦ほど気弱な性格」がありますからね。
ゲームの設定では気弱な彼女でも立派な武勲艦なんですよ。
転機は1944年のレイテ沖海戦でしょうか。当時の第七駆逐隊メンバー(潮・曙・霞)と共に志摩艦隊の一員として参加します。が、結果はご存じの通り、西村艦隊の惨状を見たスリガオ海峡で引き返しマニラまで撤退することになります。
1944年11月13日のマニラ湾空襲で潮は損傷を受け機関にダメージを負います。第七駆逐隊創設時から一緒だった曙はマニラ湾外に待避しようとした那智を追って空襲に巻き込まれ損傷を負い、その後マニラ港に係留されているところを再び空襲に遭い大破着底しその艦歴を終えることに。
手負いの潮はフィリピンから離れシンガポールで応急修理を受けた後に横須賀へ回航されます。しかし、もう既に一隻の駆逐艦を入渠させることすらままならない状況だった海軍は潮を予備艦に指定。つまり解体寸前のただ浮いているだけの船にしてしまいます。ここでまだ使える状態だった主砲(12.7cm連装砲)を「響」に提供する話はご存じの方も多いかと。
"Ushio" by 不明 - [1]. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.
大戦末期から終戦にかけて横須賀港停泊中と思われる潮の姿。すでに前砲塔を外されていますね。
終戦後、しばらくして潮は人知れず解体されることになります。いつどこで解体されたのかは分かっていません。
以上、綾波型駆逐艦「潮」の生涯でした。終戦まで横須賀にいたそうなので、誰かヴェルニー公園に潮記念碑建ててください。山城の左隣あたりが良いです。
で、こういう風に軍艦や護衛艦に詳しかったり第二次大戦の経過に詳しかったりすると、「何で戦争のことなんか調べているの?」とか、人によっては何を勘違いしたか「戦争が好きなの?」とか言ってくる人がいます。
私が第二次大戦の日本について知りたいのは「なんであんなバカなことを国を挙げて日本はやったのか」の一点のみです。軍艦や歴史の知識はその副産物のようなモノ。知れば知るほど戦争なんてしたくないし、平和が一番に決まってる。
私が学生だった頃、歴史や社会の授業で何故か近現代史の授業をまともに受けた記憶がありません。特に第二次大戦付近の歴史に関してはまるで腫れ物にでも触るかのような扱いで、先生は誰もまともに教えてくれることはありませんでした。
それもそのはず、国として第二次大戦時の日本について国としてどう教えるべきなのか方針がないし、それ以前に国としてあの戦争はなんだったのかの総括すら行っていないのだから。自虐史観?そんなのどうでも良いです、私は真実が知りたいだけ。
特に最近の政治や社会を見ていると、そのことに目をそらし曖昧にし続けてきたツケが溜まりに溜まっていろいろな所で吹き出しているようにしか感じないのです。
上述の駆逐艦「潮」は結果的に戦争を生き延びましたが、その裏には同じ第七駆逐隊だった「曙」「漣」「朧」を始め数百隻の艦艇が沈んで多くの犠牲者を出しているのです。結局、彼女たちの轟沈は何のため、誰のためだったの?
現代を生きる提督は一回そのことに関してこの終戦記念日に思いを馳せてみることも必要だと思うのです。難易度高めな夏イベの攻略も結構ですけど。
3回続いたこのシリーズももう言いたいことは言ったので今年で終わりにします。
長文最後まで読んで頂きありがとうございました。