見てきました。面白かったー
流石話題の新作だけあって公開劇場は満員御礼状態。ミニシアター系でしかやっていないなんてもったいない映画ですよね。
■映画「帰ってきたヒトラー」
http://gaga.ne.jp/hitlerisback/
何が面白いって、この映画はお笑い要素もさることながら実は構成が面白いのです。
ドキュメンタリーのパートとフィクションのパートがシームレスに繋がっているのですが、特にドキュメンタリーの所がミソで「もし現代にヒトラーが現れたらドイツ国民はどんな反応をするか」の壮大?!な実験をしているんですよね。
どんなドキュメンタリーかというと、要は街中にヒトラーが何の前触れも無くふらっと現れたところで周りの市民の皆さんの反応を撮影するというもの。
もちろん、ヒトラーと言ってもなりきった役者さんなので本物じゃないのですが、意外に好意的というかスマホで記念写真撮る人とか「なんかよく分からんが面白いことやってる人がいる」的なノリの人が多くて、日本人の自分からするとヘイトをもっと飛ばされるんじゃないか?と思っていたので驚きでした。(もちろん、そうでない場面もたくさんある)
内容としては現在のヨーロッパやドイツの社会問題に切り込んでいるので、このあたりの世情に疎い(特にドイツの政治や動物の扱い等)とよく分からない場面もありますが、おおよそニュースを見ていればなんとなく分かる範囲なので特に難しくは無いです。
では、恒例の一口感想箇条書きです。
・フィクションにドキュメンタリーを入れることで、この映画の言いたいことが浮かび上がるようになる構成は上手いなぁと思った
・気分を複雑にさせるのは、ヒトラーは「選挙で合法的に選ばれた」という事実。第二次大戦前の世界恐慌をドイツが乗り越えられたのもヒトラーの手腕なんだよね
・今のドイツが直面している社会問題(難民問題や子供の貧困等)に第二次大戦前の状況を見たとしても、ドイツ国民は歴史に学んで二度と繰り返さない知恵を持っていると信じたい
・さすがにネオナチの集会とかユダヤ人街は遠巻きに見学もしくは足早に通過しか出来ないよね、、、
・多分日本人最大の笑いどころは映画「ヒトラー最期の12日間」のあの有名な場面のパロディー
・ただし「チクショォォメェェ」と「おっぱいぷるーんぷるーん」のノルマは達成できていません
・ちなみに「ブルーノ・ガンツ」は映画「ヒトラー最期の12日間」でヒトラー役をやった人ね
そうそう、これの日本版を作るとしたら誰を主役にすれば良いのか映画を見た帰りに考えていたのですが、ちょっと迷いますね。ヒトラーに匹敵する「主役」って日本だといないんですよねぇ。東条英機はこれじゃ無い感あるしなぁ。