DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

映画「ハドソン川の奇跡」

週末に映画館で映画を見るがルーチンになりつつあるこの初秋ですが、今週も映画「ハドソン川の奇跡」を鑑賞してきました。

 

クリントイーストウッド監督にトム・ハンクス主演とスタッフ見ただけでクオリティは約束された感じの映画ですが、果たして如何に。

 

以下、一言箇条書き感想です。

 

・いつものイーストウッド作品。とても淡々とした描写で、最後に観客に「これを見てどう思いましたか?」とまるで問いかけてくるような映画

 

・この旅客機がハドソン川に着水した事件は日本でもニュースで報道され知っていたが、事後の顛末までは知らなかった

 

・飛行機事故の検証は行われるべきだが、機長への責任の追及という形で行われていたというのはちょっとショック

 

・機長という仕事の責任は重大なのだと認識。乗客155名の生死を預かる中でのギリギリの選択が成功したとしても容疑者として俎上に上げられてしまうなんて

 

・日本だったらどうなるんだろうと考えてしまった。同じような状況で「空港に緊急着陸可能だった」と報道されてしまった瞬間袋だたきに遭ってしまうのだろうか。昨今の報道の傾向とか見ていると可能性大のような

 

 

イーストウッドの作品の特徴は上述したとおり、その作品を淡々と描くことに徹しその解釈を観客側に委ねることにある。

 

ただ、一点気になった点として、今回の作品に関しては事故責任を追及する側、日本で言えば事故調査委員みたいな人が「悪者」っぽく描かれているのがちょっと気になった。

 

できれば、責任を追求する側の内情もちゃんと描いて欲しかったなと。そうしないと、バランスが取れなくなってしまうし、何故彼らが一般にはヒーロー扱いされている機長達にあの様な杜撰な追求を行ったのか理解できない。

 

このあたりはアメリカでも官僚や政府の画一的で一辺倒な対応に辟易っていう考えがもしかしたらあるのかなと思ってしまった。

 

私の期待しているイーストウッド作品は、例えば善と悪が戦っているとして、一見善の方が正しそうなんだけど、悪の側から見てみると一概にはそうは言えず、善と悪どっちが正しいんだ?!みたいな展開を期待しちゃうのです。

 

そういった鑑賞後の「モヤモヤ」とか「腑に落ち無さ」を生み出す映像の力がイーストウッド作品の特徴だと私は勝手に思ってます。

 

まぁ、ただ最後はスカッとする終わり方なので、鑑賞している側のカタルシスは満たされますけどね。イーストウッド作品としては個人的にやや消化不良気味です。