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【X3 M40d (G01 LCI)】BMW X3 M40d オーナーズレビュー

AIに描かせたらMモデルっぽくなってしまった

 

BMW X3 M40dが納車されてから、かれこれ1年以上。

 

12,000km以上走りました。

 

 

 

先に言っておくと、この車はすでに一世代前のモデルで、フルモデルチェンジした新型としてG45 X3が売り出されています。しかし、G45では2025年8月現在まだディーゼルエンジン搭載のM Performanceモデルが発売されていないので、M40dの後継車はまだ無い状態です。

 

さて、BMW X3 M40dのオーナーインプレッションになります。BMW Tokyo Bayでの購入前試乗時のインプレは以下のリンクからご覧ください。

 

daydream2006.hatenablog.com

 

 

BMW X3 M40dはGTカーである

 

X3 M40dを一言で言うと「今時のGTカー」

 

GTカーのGTは「Gran Turismo:長い距離を速く快適に移動すること」という意味のイタリア語が語源ですが、今まではセダンやクーペなどの快適性を兼ね備えた高性能なスポーツモデルを指して使われることが多かったかと。

 

しかし、SUVを各社主力車種に据えるようになった昨今では、従来のGTカーに匹敵する性能を持ったSUVも現れるようになりました。しかも、SUVはセダンやクーペと比べて荷物が多く積載できるなど実用性を兼ね備えているだけでなく、着座位置から視点が高い上に、乗り降りしやすく高い快適性を持ちあわせていますからね。

 

故に、SUVもGTカーのカテゴリに入れて語られるべき時期に差し掛かっているのではないでしょうか。まさにX3 M40dはその中の一台に相応しい車と言えます。

 

 

直列6気筒ディーゼルターボエンジン

 

X3 M40dがGTカーと言える理由の一つに挙げたいのが、全長4725mm、全幅1895mmのミドルサイズSUVボディに、エンジン形式名「B57D30B」を与えられた直列6気筒 3L ディーゼルターボエンジンを搭載していること。

 

このエンジンのスペックは以下の通り。

 

最高出力:250kW(340ps) / 4400rpm

最大トルク:700Nm(71.4kgm) / 1750-2250rpm

 

このBMW 直列6気筒ディーゼルターボエンジンから生み出される700Nmという強大なトルクを意のままに操ることが、この車に乗る大きな理由の一つ。

 

SUVにも関わらず、BMWの標榜する「駆け抜ける喜び」を X3 M40dに於いては非常に高いレベルで体現。M Performanceモデルとして相応しい仕上がりになっています。

 

機敏なアクセルレスポンス、滑らかな吹け上がり、溢れ出る強烈なトルク。本当にディーゼルなのか?と疑うほどのスポーティーさを兼ね備えたフィーリングのエンジン。

 

まるで大トルクを発生する高出力モーターが付いているような、滑らかなのに強烈な加速。一方で、いかなる速度域からも湧き出るようにトルクを捻り出す余裕があるV8エンジンを積んだ高級車のようなテイスト。

 

そのトルクは、高速道路でのクルージングにおける「ゆとり」に現れます。長距離ドライブをしていると疲れ方が顕著に違いますからね。とにかくトルクフルなエンジンなので、加速や追い越しに一切のストレスを感じません。

 

かといって、車が大きすぎ、もしくはパワーがありすぎて、街乗りで扱いにくい車ということは全くなく、安心してふだん使い可能です。

 

M40dは日本の街中で扱うにも大きすぎないサイズ感で、アクセルON/OFFを繰り返す街乗りをしていても、力の出方が適切かつ速度の収まりが良いので運転しやすいです。この万能性もM40dの魅力の一つと言えると思います。

 

また、マイルドハイブリッドなのでアイドリングストップからの復帰も静かですし、走り出しや加速を補ってくれていますね。

 

当然ボディ剛性も非常に高く、道路状況により自動で前後輪の動力配分を行うxDriveを採用する四輪駆動ということもあって、走行時における安定性はかなりのレベル。

 

車重は2tを越え、かなりの重量なのですが、その重さがドッシリとした安定感に寄与していることは間違いなく、高速道路での直進安定性は言うことなしです。まさにクルーザー。

 

コーナリングや車線変更など、リアタイヤ左右の回転差が発生するような状況においても、電子制御での左右リアの回転差を最適化する機構(Mスポーツ・ディファレンシャル)が付いていることもあり、コーナー出口での挙動は非常に安定しています。

 

 

乗り心地

 

足回りはお世辞にも柔らかいとは言えませんが、ガチガチに硬いかというとそうでもありません。

 

この車は電子制御ダンパー(アダプティブMサスペンション)を搭載しており、パフォーマンスコントロールでコンフォートとスポーツの2段階足の硬さを変えることが出来ます。柔らかめのコンフォートセッティングでは、一般道を低速走行しているとき道路の凸凹をそこそこ拾います。特に瞬間的に大きな入力があるような揺れはそのまま拾う傾向が強いですかね。

 

その代わり、高速道路で高速巡航しているときは、道路の継ぎ目などはあまり気になりません。高速道路での巡航のほうが硬さが気にならないセッティングだということですね。

 

ただ、硬めなのも悪いことばかりではなく、それが運動性能に直結するわけで、スポーツ性能の高さを表しています。実際に乗っていてもパワフルなエンジンとともに、この車を性格づけているものとして納得のいくものです。M Performanceモデルであることをきちんと理解した上で乗ることが重要です。

 

ハンドリングに関してはもの凄く気に入っています。車速によって前輪の切れ角が変わるハンドル(バリアブル・スポーツ・ステアリング)ですが、高速では切れ角少なく直進安定性重視、後退など低速時ではハンドルが片手で回せるくらい軽くなり、切れ角が大きくなるので取り回しが良くなります。

 

路面状況について適度にフィードバックの感触がありつつも、しっとりとした雑味の無いハンドリングで、走行ラインもバッチリ決まるBMWらしいスポーティーさと高級感を兼ね備えたフィーリングですね。

 

あともう一つ付け加えるなら、意外と車内の静粛性は高いです。フロントガラスをノイズを低減する合わせガラス(アコースティックガラス)にすれば、乗っていてもエンジン回さないと音はほとんど聞こえてきません。風切り音やロードノイズもよく抑えられています。

 

 

LEVEL2 運転支援システム

 

高速道路で最も効果を発揮するのがADAS、つまり先進運転支援システムです。スバルのアイサイト(Ver.3)と比較すると、比較的ジェントルな制御になっていて賢いオートクルーズを楽しめます。

 

車間調整や追い越し時などの加減速について、アイサイトは比較的短時間で仕事しようとして若干忙しい操作をする印象なのですが、BMWはその点穏やかにしつけられていて、するするっといつのまにか加減速を行い車間調整している感じですかね。また、BMWの方が車間を広めに取る傾向があります。

 

運転支援機能における制御の質そのものは、アイサイト・BMWともに素晴らしく、下手な人間の運転より賢いなぁ、と思うところもあったりしますね。

 

さらに、特定の高速道路での渋滞時はLEVEL2の自動運転が可能で、前車追従のための加減速だけでなくステアリング操作も自動化され、時速60kmまでハンドルから手を離したハンズオフ運転が可能なのです。これでますます渋滞運転時の疲労は低減されるわけで、本当にこれはスゴイ。この機能無しにもう高速道路走れなくなりました。

 

www.bmw.co.jp

 

アイサイトと比較すると悪天候に強いです。最近のレーダー付きのアイサイトXはわかりませんが、カメラのみで制御しているアイサイトだと、強い西日や豪雨などカメラで視界が確保できない状況下において運転支援が使えないときが結構あるのですが、BMWではあまりないですね。

 

ただ、BMWやスバルに限らず運転支援そのものが発展途上の機能なので、全幅の信頼を置けるかといったらそうでは無く、まだまだ人間の介入が必要になりますけどね。

 

 

エクステリア

 

車のデザインについては完全に個人の嗜好の世界なので善し悪しは語りませんが、LCI後のデザインは個人的に気に入っています。よく見てみるとボディは曲面を多用しているデザインですが、時折現れる直線的な造形と塊感がドイツ車っぽくて好きです。

 

M PerformanceモデルとMspoモデルの外観上の大きな違いと言えば、タイヤサイズ、Mブレーキキャリパー、キドニーグリルのMロゴバッジ、グリルシャッター、エキゾーストパイプの色くらいですかね。

 

タイヤサイズは前輪が245/45R20、後輪が275/40R20で、ランフラットのブリヂストン  アレンザ001を履いています。LCI前は21インチのホイールが標準だったのですが、LCIで20インチにインチダウンしています。21インチは見栄えは良いのですが、LCI前のモデルに乗ったときは乗り心地が悪いと感じたので、個人的にこのインチダウンは歓迎です。

 

グリルシャッターは何で全グレードに採用しないのか謎。あるとデザインが締まる装備です。キドニーグリル越しに見えるラジエーターとその前の棒がこれで見えなくなるのはありがたいですね。夏の暑い時期はシャッター開いちゃいますけど。

 

 

インテリア

 

最近のBMWのトレンドから言うとややコンサバティブな感じがありますが、質実剛健ながら安っぽさを感じさせない素材感やデザインは、G01 X3の良いところ。

 

シフトノブ回り(夜間)

 

シートはMスポーツシートではなく普通のレザーシートにしました。試乗したときに、Mスポーツシートは体に合わないと感じたからです。特に長距離ドライブをする人はシートの選択は慎重に決めた方が良いですね。

 

12.3インチと大型のセンターディスプレイは高精細で、運転席メーターもフル液晶(こちらも12.3インチ)で見易くて良いです。最近のカーブドディスプレイ搭載のiDrive8以降の表示よりも、iDrive7のメーター表示やインターフェースの方が個人的には好きなので、むしろ最新でなくて良かったくらい。

 

外車らしく間接照明のイルミネーションは夜に走ると綺麗ですし、オプションの電動パノラマガラスサンルーフはガラス部分が大きくて開放感あります。なんと言ってもM Spoモデル共通の黒で統一された内装が好みなんです。

 

電動パノラマガラスサンルーフ全開

 

ちなみに、これもオプションの1つですが、ハーマンカードンのオーディオを入れておくとQoD (Quality of Drive :  ドライブの質)が向上します。設定からLogic7 サラウンドというイコライザーをONすることでサラウンド効果が設定され、ノーマルよりも明らかに広がりがあり包み込まれる良い音に聞こえますよ。

 

 

ナビ

 

X3 M40d では横長の12.3インチディスプレイとともに、ナビやカーインフォテイメントとしてiDrive7が搭載されています。

 

最新のBMWはiDrive9が搭載されているので、すでに3世代くらい前のシステムなのですが、はっきり言って最近のiDrive8 (8.5含む)以降のユーザーインターフェースがイマイチなんですよね。iDrive7は前のバージョンにもかかわらず、まだ「マシな」インターフェースを持ったナビと言われることが多いですし、私もそう思います。

 

iDrive7のナビ画面は高精細で地図表示などは綺麗なのですが、走行軌跡が記録できなかったり、ハイウェイモードがなかったり、目的地検索の情報量が少なく、経路検索もイマイチだったりしますね。

 

ただ、目的地検索はスマホGoogleマップアプリからMy BMWアプリ経由でナビに目的地転送できるので、よほどのことがなければ車載ナビで目的地検索することはなくなりました。こっちの方が情報量の多さ含め間違いなく便利なので。

 

ナビの地図アップデートは1年に4回ぐらいの頻度で行われています(2024年12月現在)。ディーラーでアップデートを有償でやってもらえますが、パソコンとUSBメモリがあればセルフアップデート可能。

BMW Download Managerから最新地図データをダウンロードできる

 

とはいえ、BMW純正ナビは最近使用しておらず、Apple CarPlayでナビアプリ使ってます。それが正直な評価。

 

 

ラゲッジ

 

リアの荷室は550Lの容量を持ち、同じクラスのSUVのラゲッジスペースとしては平均的。

 

開口部は広く奥行きがあります。X4のようにリアゲートの高さが気になるようなところもありませんので、荷物の出し入れにもさほど苦労しません。当然、リアゲートは電動開閉機能付き。トノカバーも標準装備で床下収納可能。

 

ラゲッジの床下に収納スペースはありますが、そんなに広くはないですね。12V電源ソケットやフック類など充実しており使い勝手は悪くないです。

 

ゴルフバッグやアウトドア用具などの一式を余裕で積めますし、普段使いでラゲッジスペースが足りなくて困ったということもないので、個人的にラゲッジに不満はありません。

 

燃費

 

カタログスペック上だとWLTCモードで13.8km/Lとなっています。

 

納車当初は燃費があまり上がらないのですが、所有して半年ぐらい経つとエンジンもだいぶ当たりが付いてきて燃費が上がってきます。個人的な使用感だと、ストップアンドゴーが多い市街地だと10km/L前後くらいの燃費に収まると思います。

 

#燃費はドライバーのアクセルの踏み方に大きく左右されるので、ここはあくまで私のケース

 

しかし、この車に乗る方は高速道路を多用するのではないでしょうか。コンフォートで運転支援使いながらゆったり走ると20km/L以上、追い越し車線を使いながらペースを上げて走ると16〜18km/Lくらいの感覚です。ハイパワーな6気筒3Lディーゼルターボと考えると燃費は悪くないと思いますね。

 

先日、往復で600kmくらいのドライブをしたのですが、満タンにしておけば余裕で無給油往復できます。メーター上で航続可能距離が確認できるのですが、満タン時はいつも1100km越えています(下の写真では1286kmになっている)。

 

メーター回り(夜)

 

油種も軽油なので、同じクラスのガソリン車よりもランニングコストは安いですね。

 

【まとめ】X3 M40dの良いところ箇条書き

 

・エンジン。パワフルなのに扱いやすい。このエンジンを味わうためにある車

・エンジン音。ディーゼルなのに回すと良い感じに

・走り。M Performanceモデルに恥じない出来で満足度半端ない

・足回り。やや硬めでスポーティー

・ハンドリング。取り回しよい。しっとり。ライン狙いやすい

・静粛性。意外と静かな車内

・運転支援(ADAS)。これ無しに高速乗れなくなる。制御が賢い

・ヘッドアップディスプレイ。標準で付いてくる。見易い

・iDrive7。iDrive8や8.5より分かりやすいインターフェース

・Mブレーキ。フロント4ポッドは強力。外観もカッコいい

・オートブレーキホールド。エンジン切っても設定がずっと保持される

・グリルシャッター。全車標準装備すべき

・360°アラウンドビューモニタ。駐車時に便利

・My BMWアプリ。施錠やナビへの目的地転送がスマホから出来る

ハーマンカードン。オプションのオーディオだが、あるのと無いのとでは天地の差がある。LOGIC7サラウンドは必ずONにしましょう

軽油。ガソリンより安くランニングコスト

・燃費。排気量とスペックの割には良好な燃費

・ブレーキダスト。昔のBMWより改善されている。でも国産車よりは出る

BMWに限らず最近の車は各種設定やエアコンの温度調整などを、センターにあるタッチパネルに集約しようとしているが、このG01 X3は世代が古くそうなっていない。つまりボタンが適度にあり使いやすい

・この手の車は維持費が高いと思われているが、過失による部品交換がなければほとんど維持費は掛からない。点検代も初めに払ってるからいつもゼロ円よ

 

 

【まとめ】X3 M40dの悪いところ箇条書き

 

・ナビ。ルート検索がイマイチ。走行軌跡とハイウェイモードがない

iPhoneとの接続。AppleCarPlayはワイヤレスで自動接続するが、なかなか接続しないことがある

・低速時の突き上げ。電子制御ダンパー搭載なんだからもうちょっとどうにかならなかったものか。でも、スポーティーな車として考えれば酷いわけでは無い

・ブレーキフィール。大トルクをガッチリ止める強力なブレーキを装着しているので仕方ないのだが、スッと止まるには繊細なブレーキタッチが要求される

・1895mmの全幅。乗っている分に大きさはあまり感じないが、駐車場などで意識させられることは少なくない

・少なからぬ自制心が必要。油断してると免許が何枚あっても足らない

 

 

総評

 

初めにも言ったように、X3 M40dはGTカーです。この車の存在意義や立ち位置をきちんと理解して乗る分には最高の車です。使い勝手の良いSUVでここまで走れる車が出来てしまうと、本当にセダンやクーペの立場が厳しくなってきますね。

 

似たような車というと、メルセデスGLC43とかアウディSQ5、ポルシェマカンあたりになるかと思いますが、この車格と価格で6発ディーゼルでとなるとこの車しかありません。ある意味、唯一無二。

 

M Perforomanceモデルとして国産車にはないレベルのスポーティーさを充分に味わうことが出来る上に、直列6気筒ディーゼルターボエンジンが生み出す絶大なトルクを生かした強烈な加速から大排気量高級車のようなクルージングまで楽しめる実用的な一台として、非常に完成度の高い車であることに疑う余地はありません。

 

フルモデルチェンジしたX3(G45)が発売されています。噂だと直6ディーゼルターボモデルは遅れて設定されるものの、日本に導入される予定はないというのは本当?!

 

もう新車では買えない車になってしまいましたが、長く乗っていきたいと思っています。M40dが良すぎて買い換えたい車が見当たらないというのもありますけどね。