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白日夢を徒然なるままに

エジプト旅行記 その3 メイドゥム・大エジプト博物館・ハンハリーリ編

2025年12月にエジプト旅行してきた記録になります。

 

Illustrated by Gemini

今回はツアーの旅程に含まれない「私のわがまま観光コース」として個人旅行したメイドゥムのピラミッド、そして大エジプト博物館、ハンハリーリ市場に行ったときの模様になります。

 

 

エジプト旅行記 その3 メイドゥム・大エジプト博物館・ハンハリーリ編

 

ギザからメイドゥムへ

 

前日はギザのピラミッド観光だったため、そのままギザのホテルで一泊。翌日は他のツアー客とは別行動の日。

 

本来はそのまま他のツアー客といっしょに規定の観光ルートを回るところなのだが、申込時にどうしても行きたいところがあるのでルート変更をお願いしたら快くルート変更してもらえたのだ。

 

こういうのは、JTBとかHISのエジプトツアーでは不可能だと思うので、標準的なツアールートだけでは満足できないエジプトマニアな方は、そういうことができるツアー会社を選ぶと良いだろう。今回、私はA.T.S社にツアーコーディネートをお願いした。

 

www.ats-hj.com

 

その行きたい場所とは「メイドゥムのピラミッド(別名:崩れピラミッド)」。

 

 

これはギザにピラミッドを建てたクフ王の父親であるスネフェル王スネフェル王の父親であるフニ王が建築し、スネフェル王が改築した説もあり)のピラミッドで、現在ではピラミッド内部のコア部分が露出している状態。外側の岩が積まれていた部分が崩壊もしくは建設中断で「崩れている」ように見えるピラミッドだ。

 

このピラミッドはちょうどサッカラにある階段ピラミッドの形から、ギザの3大ピラミッドのような四角錐の形になる移行期のピラミッド。ギザの3大ピラミッドが完成形なら、このメイドゥムのピラミッドはそこに至る試行錯誤の産物なのだ。

 

人間が失敗しながら完成型へと近づけた。その証左がこのメイドゥムのピラミッドであり、ダハシュールの2基のピラミッド(屈折ピラミッド・赤ピラミッド)であり、スネフェルの功績なのである。

 

それを実際に目にしたかった。それが、ここまで来た理由である。

 

ギザから南におよそ1時間ほど高速道路を走るとメイドゥムに到着する。

 

メイドゥムのピラミッド遠景。霞が神秘さを高めている

 

高速道路を降りて少し走ると、霞の中から突如として現れたメイドゥムのピラミッドは想像よりも大きく壮観だった。

 

周囲には何もない地平線に突如と現れる巨大な構造物。ぽつんとそこに立つ自分がメイドゥムのピラミッドと相対する構図は、古代エジプト5000年の歴史の中に突如放り込まれたような錯覚を起こす。

 

ギザのピラミッドとは一味違うその外観と迫力に思わず目が釘付けに。

 

ピラミッド手前のチケット売り場(警察検問付き)で車を降りたあと、ピラミッドまで歩いていくことに。

 

その途中に装飾が施された石棺が放置されていたのでじっくり拝見。どうやら、メイドゥムのピラミッドの玄室にあったものではないらしい。どこから来たんだ?

 

外に放置されている石棺。向かい合うアヌビス神の絵が印象的。
確かにメイドゥムのピラミッドが建造された時代に石棺装飾があるのはおかしい

 

そして、ガイドさんに促されるままピラミッド内部入口へ。

 

少し登った所にある北側の入口からピラミッド内部に入ることができる。

 

ピラミッド北面。右手の階段登ると入口がある

 

ピラミッド入口

行ってみたらピラミッドの入口が閉まっていたので、近くにいた警備の方に「開けてー」とジェスチャーしたら開けてくれた。

 

内部構造に関しては以下の図を参照。本来ならこのピラミッドは8段の階段ピラミッドだったが、紆余曲折あり現在見えているのは上4段のみということがわかる。

 

Pyramid in Medum (English labels).png
By https://commons.wikimedia.org/wiki/User:NeferKaRe~commonswiki - File:Pyramid_in_Medum.png, Public Domain, Link

 

ピラミッドの内部は、はじめに急な下り坂を降りていくと、底部に2つの前室があり、その先の梯子を登ると玄室という、至ってシンプルなルート。クフ王のピラミッド内部に比べるとルートは短い。

 

内部を見学してピラミッドを出ると、どこの遺跡にもかならずいる「門番」の人がいたので、「あのマスタバにも入れる?」と聞きながら$5ほどバクシーシしてみる。

 

「もちろん!」と言ったかどうかはわからないが、お金をパッと受け取ると喜々として近くにある17号マスタバの入口まで案内してくれた。さらに、狭いマスタバの中まで案内してくれて写真まで撮って貰った。エジプトでは遺跡の沙汰も金次第らしい。

 

17号マスタバ

 

17号マスタバはメイドゥムのピラミッドのすぐ近くにある巨大なマスタバ(王以外の身分の人の墓)で、誰が埋葬されていたのかは未だに不明。一説にはスネフェル王の長男という噂もある。

 

もしあなたが、インディ・ジョーンズのような考古学者に憧れているなら、このマスタバには是非入ってほしい。

 

ここでは冒険者や盗掘者の気分を体験できる。入り口自体がとても狭く、本当に中に入っていいのか躊躇するような所にある。

 

光も通らない狭い通路を進んでいくことになるのだが、はしごを使ったり、匍匐前進しながら通過しなければ行けない、閉所恐怖症の人にはなかなか辛い場所だ。

 

肘やヒザを砂埃で真っ白にしながら、やっとのこと玄室にたどり着く。

 

ここの玄室には花崗岩製の石棺があるのだが、これは世界最古のものでクフ王のものより大きく古い。

 

奥にあるのが石棺

 

再び匍匐前進して帰り道を戻っていく。靴や服が汚れるが非常に貴重な体験ができて満足。

 

最後にメイドゥムのピラミッドの周りを一周散歩して撤収。非常に有意義なエクスカージョンで、ここまで来て良かったと心から思えるものだった。

 

エジプト人のガイドさんにすら「バニ・スエフ(メイドゥムがある県の名前)に何があるの?」と聞かれるくらいマイナーな遺跡だが、観光客や客引きはここまで来ないため、落ち着いて遺跡を見学出来る場所。エジプトの歴史好きの方は是非訪れてみてほしい。

 

東側の葬祭神殿内部も見学させてくれた。ありがたや。

 

 

大エジプト博物館(GEM)

 

メイドゥムを堪能したあとは昼食。

 

メイドゥムに向かう際の道脇の集落に、なにやら珍しい形の塔が対になって建っている。ガイドさんに聞くと「エジプトの田舎では、その塔の中でハトを飼っている」とのこと。

 

どんなものかは以下のリンクの写真参照。

 

https://jp.freepik.com/premium-photo/traditional-egyptian-dovecote-made-clay-pigeon-house-siwa-oasis-egypt_36265365.htm

 

そういえば、エジプトでは古代からハトを飼育して食用にしている、と聞いていたので当日の昼食はハトをリクエスト。

 

ハトは中にご飯が詰められた状態で丸焼きで提供された。正直言って肉として食べられるところがすごく少ないので評価は微妙。でも、エジプトでは高級食材らしい。

 

 

美味しい昼食(?)を食べたあとはギザに戻り、念願の大エジプト博物館(GEM:Grand Egyptian Museum)へ。先月(2025年11月)に正式開館したばかりということもあり、ものすごい数の観光客がいた。

 

チケットエントランスから歩いて博物館に向かうのだが、正面に見える建物のスケール感に感覚が狂う。日本にこの規模の建物は無いのではないかと思うくらい、大きい。

 

入場口付近。これでもほんの一部

 

博物館のエントランスから天井を見上げると、その天井の高さにも驚く。出迎えてくれる巨大なラムセス2世の像が否応にも期待感を抱かせる。

 

展示は基本的に年代順にあって、古代エジプトの始まりや古王国あたりから順番に見ていると1日では到底回るのが不可能なほどの展示量である。

 

入場口では巨大なラムセス2世がお出迎え

 

メイドゥムのピラミッドを建てたスネフェル王の像

 

特に圧巻なのがツタンカーメンの副葬品展示で、出てきたもの全部展示してるんじゃないかくらいの勢いで、下着から黄金のマスクまでありとあらゆるものがものすごい量展示されていた。これだけで博物館一つできるくらいの規模だ。

 

お目当てのこれ。やっぱり本物の迫力は圧倒的

 

黄金のマスクはその内側を少しだけ見ることができたのが貴重。

 

結構生々しいのだが、この後王家の谷で見ることになるツタンカーメンのミイラと合わせて考えると、永遠性を重視した古代エジプトの人々が黄金のマスクを通して生前の姿を永久に残そうとしたのだろう、と感じた。

 

ミイラになってしまったツタンカーメンであるが、若々しい少年王の姿を今も見ることが出来るのは、この黄金のマスクのおかげだ。

 

黄金のマスクを斜め後ろから。少し内側が見える

 

時間の都合で、かなり駆け足での見学だったため、いつかもう一回来る必要があるな、、、と思いながら、後ろ髪引かれつつ大エジプト博物館をあとにしたのだった。

 

 

ハンハリーリ市場

 

その後向かったのがハンハリーリ市場。

 

ハンハリーリの有名なランプ屋さん

 

ここにあるお店は基本的に値札はなく、なにか買いたいとなると必ず価格交渉することになる。並んでいるお店は95%観光客向けのお土産屋さんなので、そういった異国での買い物を楽しみたい方は是非チャレンジしてみてほしい。

 

そういうのが面倒な人は、日本人観光客向けの値札があるお土産屋さんがあるので、いくつか紹介しておく。

 

・Jordi Bazzar Shop 

https://maps.app.goo.gl/akoSDnpr27jL1ccLA

値段も手頃で値札があるお土産屋さん。有名なKhan El Khalili Restaurant & Naguib Mahfouz Cafeの前に日本語の看板があるのでお見逃しなく。メインのショップは近くのビルの二階にある。

 

Queen Nefertari Store

https://maps.app.goo.gl/a7By4M4QWYAsK9FX7

 ちょっとお高めだが値札があり、日本語が使える店員さんがいる貴重なお土産屋さん。日本人向けのお土産のニーズを良くわかっていて、試食させてくれるし、会社などへのバラマキ系お土産はここで買うとよいです。何でも3つ買うと1個おまけしてくれる。

 

 

ハンハリーリのバザールでは日本人とわかると日本語で呼び込みがかかる。

「タダ、タダ!全部タダ!」

「ミナミノ、ミトマ、エンドー!」

など、謎の呼び込みをされる。もちろん全部タダのわけがないし、日本人サッカー選手の名前をここで言われても、といったこのカオスさを楽しむのも一興だろう。

 

価格交渉もやりようで、

「500EGPでどうだ」

「いやいや、高いよ。250EGPでしょ」

「Oh、それじゃ倒産しちゃうよ!」

「じゃぁ、いらない」

「わかった!250EGPで!」

みたいにやると良い感じで進む。一旦、安い金額を言うと断られるので、そこでいらないと言ってみて相手の顔色伺いながら交渉すると良い。これで安くおみやげをゲットしてみてほしい。

 

そんな呼び込み激しいハンハリーリだけれども、異国情緒をこれだけ漂わせるバザールもなかなかないので、ぜひ狭い街路を隅々まで歩いてみることをおすすめする。

 

 

今日はメイドゥムからハンハリーリまで長い距離を車で移動しながらの旅だったが、エジプトの様々な局面を1日で見ることが出来たのが良かった。

 

ピラミッド建設における試行錯誤の痕跡。観光資源でもあり、エジプト人のルーツでもある古代エジプト文明の重厚さと偉大さ。そして、過去だけではなく現在もまた強烈な印象を残す国がエジプトなのである。

 

 

以上、エジプト旅行記 その3 メイドゥム・大エジプト博物館・ハンハリーリ編でした。