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白日夢を徒然なるままに

MDR-1000Xをレビューしてみる

前にワイヤレスヘッドフォンのレビュー記事を上げましたが、あれから結構悩んだ末にSONYのMDR-1000Xを購入しました。

  

www.sony.jp

 

まず初めに言っておけなければいけない点として、「ワイヤレスである」というのは絶対正義だと言うことを使ってみて実感。

 

今まではケーブルをいろんな所に絡ませたり、どこかに引っかけてiPhoneをふっ飛ばしたりしていましたが、今後はそのようなリスクとはおさらばです。また、耳元や首回りもスッキリして本当に快適。これは予想以上!

 

音質の問題もだいぶクリアされつつある今、間違いなく今後はヘッドフォンやイヤフォンもワイヤレス化が進んでいくと確信。皆さんも便利だからワイヤレス買いましょう!

 

というわけで、某比較サイトのフォーマットを借りてレビュー記事を書きますね。使用環境はiPhone7もしくはiMacにペアリングして使用。よって、LDACは使用していません。

 

☆は五点満点で黒星(★)が点数です。

 

【デザイン】★★★☆☆

SONYのヘッドフォンとしてはやや地味なデザインだと思います。特筆するような特徴もあるわけでは無く、かといって小さく折りたたみできるような画期的な機構があるわけでもないです。

 

外でも使えるヘッドフォンとして見るとやや大きめで目立ちますし、価格帯から使用する年齢層もやや高めになることが予想できます。そう考えると、落ち着いたシックなデザインになるもの分かる気がします。

 

また、ハウジングの表面が合成革なので他のSONY製ヘッドフォンにある金属的なカッコ良さと言うよりも、デザイン的に質感や暖かみを出していると思うのでより一層シックな印象を与えていると思います。

 

カラーは落ち着いたベージュとブラックの2つがあります。私は通勤時のコーディネートにも違和感の無いよう無難なブラックを選びましたが、女性やカジュアルな衣装に合わせるならベージュも良い選択かと思いますね。

 

ボタン配置は分かりやすいです。左ハウジング周辺に集中していますが、三つの物理ボタンしか無く、装着状態でもボタン毎に判別可能なように大きさの異なる爪状の出っ張りが付いていて触覚で分かるようになっています。まぁ、何回か使えば場所で覚えちゃいますが。

 

右ハウジングの外側を使ったタッチ式の再生/停止・曲送り/戻し・音量操作はとても良いですね。初めは戸惑いますが慣れてくると非常に便利です。

 

【高音の音質】★★★★☆

この機種に決めたポイントは結局の所、中高音部の鳴り方がナチュラルで好感が持てたことです。安っぽく金属的でキンキンうるさい高音とは全く無縁で、特にクラシック系の曲などを良く聴く人でノイズキャンセリング機能付きワイヤレスヘッドフォン欲しい人は、今のところこの製品選んどけば間違いないです。

 

個人的なこの音域の印象を言うと「くっきり&すっきり。けれど存在感がある」という感じです。高めの解像感と素直な音の出方からスッキリとした存在感のある中高音域を外出先でも聞くことが出来ます。これはホント素晴らしくいつも聴き入ってしまいますね。

 

密閉式の割に音場は広めに再生されていると思うので、音の鳴り方に窮屈な感じはしませんね。

 

【低音の音質】★★★★☆

ライバル製品であるBOSE QC35程豊かでキレのある低音は出ません。ですが、全体のバランスを考えたときに曲の雰囲気を変えずに十分な量と質感のある低音を鳴らしてくれていると思います。

 

まぁ、完全に低音部分は好みの問題になってくるので、低音バリバリのBOSE製品が好きな人はQC35を購入すべきだし、モリモリの低音は邪魔であるというならこの製品が向いていると思います。是非試聴して決めてください。

 

【フィット感】★★★☆☆

良好です。ただ、細かいことを言うと頭に装着した後での細かい調整が結構難しい感じです。その点何も考えないでもフィットさせてくるAKG製品は優秀なのだなぁと。

 

側圧は強くも無く弱くも無く自分にはちょうど良い感じです。イヤパッドも側頭部に吸い付くような適度な柔らかさがあり快適です。

 

手で持つと重さは感じますが、装着時に気になる程でも無いです。このあたりのバランスはきちんと考えられて設計はされていると感じます。

 

【外音遮断性】★★★★★

ここではノイズキャンセリング(NC)性能のことを話します。

この製品のNC機能はすこぶる優秀です。BOSE製品に全く引けを取りません。下手をするとそれ以上かも、と感じています。

 

まず使い始めにオプティマイザーを使用してNCを最適化する事をお忘れ無く。これやるやらないで結構違いがありますよ。

 

電車の中で使用していても強力なNCがノイズをかなり抑えて、音楽に集中できる空間を作ります。基本、電車では高周波音ノイズは完全にカットされアナウンスと振動で伝わってくる類いの大きめの音くらいしか聞こえなくなります。

 

アンビエント機能というわざと外音も聞こえるNCのモードがあるのですが、そんな機能を付けなければいけないくらいNCの効きが良いのです。

 

NC付きヘッドフォンはNCの機能が音質にも影響してしまう傾向がありますが、このMDR-1000Xに関してはそれを全く感じさせませんね。

 

【音漏防止】★★★★☆

NC機能を効かせながらの常識的なボリュームでの鑑賞であれば全く問題ないと思います。そもそもNC機能のおかげでそんなにボリューム上げる必要ないんですよ。基本的に耳が完全に隠れる密閉式のヘッドフォンなのであまり音漏れしません。

 

【携帯性】★★☆☆☆

お世辞にもコンパクトとは言えないです。今まで使っていたAKG K490NCは折りたたんで鞄のポケットに放り込んでおけましたが、さすがにこの機種では無理です。

 

ですので、付属のケースに収納した上で鞄にしまっています。そういう意味では、外出用として使うにはギリギリの大きさと言えるかもですね。

 

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左がMDR-1000Xで右がK490NC。全然大きさが違う。普段の使い方から可搬性や収納をよく考えて選択した方が良いと思います

 

【総評】★★★★☆

 総じてレベルの高い製品になっていると思います。価格も結構する製品ですが、現状のワイヤレスヘッドフォンの中でもトップクラスに位置する製品だと思うので、使っていても満足度高いです。

 

ただ、全体的に満点をあげられないのは、やはり有線接続のヘッドフォンと比較してしまうと音質面で今一歩のところがあるためです。

 

一応、この製品も有線でDAPやHPAに接続することも出来ますが、価格相応の音は出ません。5000円レベルのヘッドフォンの音ですかね。素直に無線専用と割り切ってBluetooth接続で使いましょう。

 

音質に関してはBluetoothの転送帯域の狭さや電源やアンプの性能もあって難しい問題ですが、その中で非常によく頑張っている音質だとは思います。恐らく99%の人にとって全く違和感ないレベル。でも、宣伝文句にある「ハイレゾ相当」は言い過ぎ。

 

屋外や異音の多い屋内で使う分にはNC機能と相まって結構いい音に感じるのですが、自室など静かな屋内で有線接続のヘッドフォンとワイヤレスヘッドフォンで比較しながら音楽聞くと歴然と差があるのが分かってしまいます。

 

ま、こればかりは現状致し方ないので今後の技術の進歩に期待したいところ。え?LDAC?そんな対応するSONY製品持ってないとダメなのは論外です。

 

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ちなみにiMac(Late 2015/macOS Sierra 10.12.2)とペアリングするとaptXコーデックで接続可能でした。これにはMac側で一手間いるのですが詳しくはググってください。動画見るなら高音質かつ遅延の少ないaptX使いましょう。これはBOSE QC35では出来ないMDR-1000Xのアドバンテージです。

 

##macOSでaptX使えるのならiOSでも使えるようにして欲しいのだけどなぁ。

 

電池の持ちは最大20時間となっていますが、実際に使っていても違和感ない数値です。毎日2時間程度使っても1週間に1回充電すれば余裕で持ちます。

 

この製品はノイズキャンセリング機能付きワイヤレスヘッドフォンとして現時点でBOSE Quiet Comfort 35と双璧を成す存在であることは間違いなく、しっかり自分自身で比較した上でお好みの方をチョイスすれば良いと思います。

 

以上、MDR-1000Xの製品レビューでした。