ひょんなことから、いくつかのSUBARU車を運転することが出来たので、ここに感想を記しておこうと思う。
今回試乗したのは、SUBARUの以下の車種
・フォレスター Premium S:HEV EX
・フォレスター SPORT EX
・トレイルシーカー ET-HS(EV)
・レヴォーグ レイバック Premium S:HEV EX
4台を一日で乗り比べられたのだが、いろいろ初めて分かったこともあり、良い勉強になったなぁ、という感じ。
では、早速レビューしていきたいと思う。
試乗コースは市街地と郊外を30分ほどで、高速には乗っていないです。
いつも通り、都合により写真はありません。
また、デザインや装備については人によると思うので評価していません。
フォレスター Premium S:HEV EX
全長:4655mm
全幅:1830mm
全高:1730mm
燃費:WLTCモード 18.5km/L
スペック:
(エンジン)FB25 160ps/5600rpm 21.3kgf・m/4000-4400rpm
(モーター)MC2 119.6ps 27.5kgf・m
日本で現行フォレスターが発売される前に、群馬の工場から東北道や首都高を経由して、輸出港まで積載車に積まれて運ばれているのを何度も目撃していたので、かなり早い段階から実車を見ることができていた。
現行フォレスター(SL型)はアメリカなど海外で先に発売されていたので、日本の高速道路を走る積載車に載っていても、当時日本では買うことは出来なかったのだ。
正直、その頃はアメ車風のスタイルに懐疑的だったが、実際に目の前で見てみると、前の型(SK型)よりも塊感のあるボディに好感。いつの間にか「これも、ありなのかな」と思い直すようになっていた。
さて、早速車に乗り込み軽くアクセルを煽ってみよう、、、
あれ?なにも起きないぞ?!
そうそう、ストロングハイブリッド車なので、STARTボタンを押してすぐの段階ではエンジンは動かないのだ。
乗り出した駐車場の中はEV走行。
SUBARUの車に乗っているよね?!という、ちょっとした違和感が胸をよぎる。これはトヨタの車ではないのだ。
駐車場から道路に出て、加速のためにアクセルをちょんと煽るとすぐにエンジンが掛かり出す。すぐにエンジンの鼓動が伝わり、いつもの車の感覚に安堵する。
ハイブリッド車に乗り慣れていないので、初めは違和感と戦いながら試乗を始めることに。
走り出しは重さを感じるものの、モーターのサポートが効いていてまろやかにすーっと加速する。静かにトルクで押し出す感じが少しばかり高級車の味付けだ。
WRXのような高揚感はない。が、市街地走行レベルであればモーターが「ハイブリッドで完全武装」した重量級ボディを滑らかにスピードに乗せていく。
国道のバイパスで前方の遅い車を追い越す時も、アクセル一つでグイッと加速して抜き去っていく。これも、パーンと勢いよくというよりも、ふわっと加速していつの間にか抜き去っている感じ。
足回りもよい。少々硬めだが、「しなやかさ」を感じる仕上がり。そこはかとなくドイツ車を感じさせる味付けが私は好きだ。路面状況を座席とハンドルに十分伝えてくる。
相変わらずだが、総じてバランスの良さを感じる。走っていて「おや?」と感じる部分がほとんど無いのだ。
ただ、一点重要な問題点がある。今までSUBARUの車に乗っていた人は本当にこれでいいのかな?と思ったことだ。そう、S:HEVのことだ。
トヨタの車でも体験していたが、ストロングハイブリッド車はパッションが足らない。言葉を選ばずに言うと「つまらない」のだ。
内燃機関とモーターの良いとこ取りをした素晴らしいシステムなのは分かっているのだが、いかんせん感性方面で中途半端を拭えない。エンジンが高回転まで軽やかに回らないし、EV車ほどパンチのあるトルクもない。
でも、わかっている。燃費やCAFE規制など世界的な環境規制を考えると、今まで通りの内燃機関ではダメなんだということを。
SUBARUエンジニアの葛藤を感じながら、車を降りたのだった。
フォレスター SPORT EX
全長:4655mm
全幅:1830mm
全高:1730mm
燃費:WLTCモード 13.6km/L
スペック:
(エンジン)CB18 177ps/5200-5600rpm 30.6kgf・m/1600-3600rpm
これこれ、これよ。
Premium S:HEV EX の次にこの車に乗ったのだが、思わず運転中にそうつぶやいてしまった。
Premiumで感じた違和感は、SPORTに乗って払拭されたのだ。
ハイブリッドシステムを積んでいないので車が軽い、エンジンもぶんぶん回る。
加速にもターボのパンチが感じられる。過給が始まりパワーが盛り上がる高揚。エンジン回転数が上がっていくワクワクは健在。
決して過激なスポーツモデルではないが、S:HEVの優等生ぶりと比較すると、十分にやんちゃな性格だと感じる。
いままで、STIモデルとかに乗っていたSUBARUファンはこのグレードに乗るべきだろう。これぞ、SUBARUの車である。
今時WLTCで13.6km/Lの燃費?そんなものは気にしてはいけないのだ。
トレイルシーカー ET-HS
全長:4845mm
全幅:1860mm
全高:1675mm
燃費:9.83km/kWh
スペック:
(2モーター)前後共通 227ps 27.3kgf・m
今回試乗した車の中で一番衝撃的だったのがこの車。
初めてEVを買ってもよいかな、と思ったのだ。
端的に言うと、やっぱりEVは良い。大きなモーターを積んだEVの乗り味は大排気量の高級車そのもので、滑らかなトルク主導の加速は本当にやみつきになる。
一般道レベル、いや日本の道路環境レベルで力不足や取り回しの不便さは一切感じないどころか、オーバースペック気味ですらある。足回りもフォレスターで感じたSUBARUそのもの。
少なくとも完成度という面においては日本メーカーのEVは決して低くない。市場投入が進まないのは充電インフラや航続距離などの問題が大きいのだろう。
解決するのは時間の問題だと思いたい。
レヴォーグ レイバック Premium S:HEV EX
全長:4770mm
全幅:1820mm
全高:1570mm
燃費:WLTCモード 19.0km/L
スペック:
(エンジン)FB25 160ps/5600rpm 21.3kgf・m/4000-4400rpm
(モーター)MC2 119.6ps 27.5kgf・m
基本的にフォレスターのS:HEVモデルと感じたことは同じ。
ただ、こちらの方がファミリーカーを意識しているのか、足回りが柔らかいのが印象的だった。
試乗してみたけど、この車の立ち位置がイマイチピンとこなかった。特にレヴォーグとの棲み分けとか。
きっとレヴォーグから少し車高を高くしたクロスオーバー的な車なんだろうけど、だったらアウトバックで良かったんじゃね?と思ってしまう。
要望として、SUBARUはトヨタのストロングハイブリッドであるTHS IIを魔改造して、高回転に強くスポーティーなストロングハイブリッドにしてくれないかな、と思う。
このシステムを譲って貰ったトヨタとの差別化ということで、是非お願いしたい。
試乗後記
S:HEVについてはいろいろ思うところはあるが、燃費や規制を乗り越えつつ商品としての魅力を上げるという部分では成功していると思う。
ただ、私のような以前からSUBARUというメーカーを知っている者からすると、このままでは「らしさ」が損なわれるのでは、という懸念を強く感じた。
ここで言う「らしさ」とは走りの部分のことだ。運転の楽しさや走りの味付けのこと。
是非、前述の通りSUBARUらしいS:HEVを作り上げてほしいと思う。
最後に、私が思った「この車はこんな人向け」という一覧を作ってみたのでご笑覧いただきたい。
フォレスター(S:HEV):
アウトドア好きの中高年。車の運転は好きだが、スピード狂は卒業した人向け。
フォレスター(Turbo):
アクティブな若者。車でいろいろなところに行って車中泊とか憧れる人向け
トレイルシーカー:
新しもの好きで感度の高い人。多少の不便も新製品ということで割り切れる人向け
レヴォーグ レイバック(S:HEV):
トヨタ車のハイブリッドが欲しかったが納期の問題で買えなかったファミリー向け
以上














































































