DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

加藤隼戦闘隊と雷撃隊出動

K_hayabusa また見てしまいました東宝の第二次大戦戦記物映画。タイトルの映画は戦時中に国威高揚映画として公開されたもので、加藤隼戦闘隊は陸軍省から、雷撃隊出動は海軍省から後援を受けて制作された映画です。

同じ昭和19年に公開された映画なのに、内容は全く正反対の2本。

加藤隼戦闘隊は戦争初期に東南アジア戦線で活躍した加藤中佐率いる「隼」戦闘機で編成された戦闘機部隊のお話し。この映画の凄いところはなんと言ってもドッグファイトシーン。

なんと隼や敵戦闘機など本物が本当に格闘戦さながらの飛行をしているのでスゴい迫力です。特撮もあるのですが戦闘シーンのほとんどが実写のためマニア垂涎の映画となっております(実際それで有名なんですが)。

内容もイケイケの戦闘シーン満載だし、ドラマとしては薄いもののツボはきちんと押さえているので戦記物の名作と呼ばれるのも納得の出来。男の子なら見ていて飽きない映画でしょう。

さて、その対極にあるのが雷撃隊出動。

オープニングこそ本物の帝国海軍空母から雷撃機(天山?)の発艦シーンがあるなど「おぉー」というシーンはあるのですが、なにせ展開する話が戦意高揚目的の映画の割には妙に刹那的で悲壮感すら漂ってくるドラマになっているのにはビックリ。

戦場場面に緊張感がなく野球とかトランプとかやってるし、最後の戦闘シーンも明らかに特撮なので加藤隼戦闘隊見てからだと正直萎えます。

最近になって東宝がこの手の戦記物映画のDVD化に力を入れてきています。戦争云々で見るのではなく、当時の貴重な映像記録として見てみると面白いと思います。

#2013/11/26追記

上記で出てくる空母からの発艦シーンですが、この空母はエンガノ岬沖海戦直前の「瑞鶴」で本物。そして、飛び立っていく飛行機は書いてある通り「天山」です。1944年9月に別府湾沖で訓練中に撮影されたようで、後にエンガノ岬に同行する空母や駆逐艦も撮影されており、かなり貴重な映像です。神野正美著「空母瑞鶴」の中にこの雷撃隊出動撮影シーンのエピソードが載ってます。