DAYDREAM

白日夢を徒然なるままに

太平洋の嵐と連合艦隊

Taihei_1Rengou ある日、何かレンタルしようとTSUTAYAで普段見ることはない任侠物の棚をボーッと眺めていると片隅にこのタイトル2本のDVDを発 見。戦記物は先の「男達の大和」を見てからいつか見ようと思っていたところ。丁度いい機会なので借りて見ることにした。

東宝が1960年(太平洋の嵐)と1981年(連合艦隊)に制作した第二次大戦物だが、まぁ見てびっくり。この2本で特撮部分が使い回されているではないの!!20年前の映画の特撮をそのままパクるなんて今では考えられないけど、さすがは円谷クオリティー。真珠湾攻撃零戦の編隊飛行とか急降下爆撃シーンとかはミニチュア特撮の技巧が凝らされていて中々のモノ。さすがに今見るとチャチな感じなんだけど、味というか独特の雰囲気があってこれはこれでいい感じ。

太平洋の嵐は真珠湾からミッドウェイ作戦まで、連合艦隊は開戦から大和の最後までの話だが同じ監督(松林宗恵)の作品だけあって根底に流れる思想は同じ。独特の無常観というか、人の生死のあっけなさが両作品とも感じられる。決してイケイケの戦争映画ではない。

個人的には連合艦隊の方が好み。男達の大和もなかなか豪華な役者陣だったが、連合艦隊はさらに豪華。鶴田浩二伊藤整一(男達の大和では渡哲也が演じた)と丹波哲郎の小沢治三郎が特に素晴らしい。二百三高地児玉源太郎役の時もそうだけど丹波哲郎は剛胆な将官役をやらせると当代随一なのに、なんで大霊界なんて、、、

とにかく、この2本の映画を見たらなんであの戦争で日本が敗北したのか分かる。日本人が根底に持つ「愚かな」部分があの戦争をどうしようもない物にしてしまったのだ。さらに、果たして戦死していった人たちの犠牲は何のためで、それが我々に何をもたらしているのか?それを考えずにいられない作品だった。

ハリウッド映画もいいけどたまにはこういう邦画も良いものです。