以前に、Apple Watch Ultraは登山で使えるかという記事を上げましたが、その続編になります。
めでたくアウトドアに強いApple Watch Ultraを手に入れたのであれば、登山仕様にカスタマイズして有効利用したいですよね。
そこで、Apple Watch Ultraを1年半以上登山で使ってきた経験を踏まえて、Apple Watch Ultraを登山で使う際のカスタマイズについて、いろいろ述べてみたいと思います。
文字盤を登山仕様にする
初めに登山仕様の文字盤を考えてみたいと思います。
Apple Watchは文字盤を編集して自分好みのものを複数作成し、適宜切り替えることが出来るので、まずは登山用の文字盤を作成しましょう。人によって好みやお気に入りのアプリは違ってくると思いますが、参考までに私の例を挙げてみたいと思います。
私は「モジュラーUltra」の文字盤をベースに登山用の文字盤を作成しています。Apple Watch Ultraの大きな画面を生かすように作られているので、他の文字盤とは配置可能な情報量が違うんですよね。
コンプリケーションに関しては、上の列左から、気温、方位、バッテリーの順に配置。下の段は左からDuffyの万歩計表示、日の出日の入り時間、YAMAPの順に配置しています。そして、両脇のゲージ(ベゼル)は高度計になっています。
この文字盤の利点としては、右下に登山アプリを持ってくることでタップして起動しやすい配置にしていること。また、日の入りの時間を把握することで、安全な行動時間を意識した時間配分を考えられるようになることでしょうか。
最も重要な時刻確認が容易にできる大型デジタル時計をドーンと中央に配置しています。そうすることで、いかなる状況下でも非常に見易くなるので気に入っています。登山で時間管理はとても重要ですからね!
「あれ?ウェイファインダーじゃないの?」という声が聞こえてきそうです。確かに、ウェイファインダーは大きな方位磁針があり、見栄え良くアウトドア向けの作りですが、情報が小さく見にくい状態で表示され、全体的に視認性が良いと感じないので個人的に好みではないです。特に時計の針が見にくく感じます。
なので、必要な情報を見易い形で最小限配置した、シンプルな文字盤を登山用にしています。これが行き着いた個人的なベストの形です。まさに、Less is more!
参考までに、文字盤について、登山でいろいろ試行錯誤してみての気づきは以下の通り。
・ウェイファインダーの方位磁針はアウトドアとしての雰囲気は良いが、登山アプリがあると文字盤の面積を取る割にはあまり使わない機能である
・天気や気温、日の出日の入り時間表示など通信が必要なコンプリケーションは、通信環境の悪い環境だとほぼ使えないことを頭に入れて使うこと(特に長期縦走時など)
・時計は針よりもデジタルの方が、多くの条件下で高い視認性を持つ
・気温は必ずしも現在地の気温ではない(ネットで公開されている平地の気温)ので注意。Apple Watchに外気温センサーないので搭載希望
・充電状況を把握するために、バッテリー残量は必ずコンプリケーションに入れておく。山頂までの距離感の目安になるので、高度計も表示しておくと尚良し
なお、一点付け加えておくと、上の文字盤だけではなく登山時の緊急用としてウェイファインダーをベースに高度計を追加した文字盤も作成しています。
なぜかというと、ウェイファインダーの方位磁針で現在地の緯度と経度を常時知ることができるからです。何らかの問題が発生して、登山アプリが使えず、紙の地図を見なければならない場合に備えて、緯度・経度・高度といった現在地を割り出すために必要な情報を一目でそこから取得できるようにしています。
登山ではどのバンドを使うべきか?
Apple Watchにてユーザー側で変更できる外観の要素として、バンドの交換があります。既存の時計と比較すると、簡単かつ気軽に交換できるので、用途によって付け替えると気分もだいぶ変わってきますね。普段使い用や登山・スポーツ用などいくつかバリエーションを持っておくとよいでしょう。
Apple純正の49mmケース対応バンドだと登山に適応できそうなのは、アルパインループかトレイルループのどちらかでしょう。両方買って試してみたので、比較してみます。
アルパインループ
このバンドは「バンドの留め強度」が必要な場合に使うバンドです。
つまり、クライミングなどで岩にバンドが擦れて、留め具の部分が外れてしまうような事態が想定される場面で使うバンドです。
アルパインループはバンドに縫い付けられている穴に留め具を挿して固定する方式なので、留める力が強く簡単には取れません。
ただ、この挿す行為が結構面倒くさいんですよ。実際、大した時間や手間ではないのですが、Apple Watch Ultraを装着する毎にこれをやると、結構面倒に感じてしまうんですね。
なので、普段使い用のバンドとしてはあまりオススメできません。私は数週間使ってこのバンドを普段使うの止めてしまいました。今ではクライミング専用のバンドです。
トレイルループ
現在、私がメインで使用しているのはトレイルループです。
アルパインループと比較すると、一旦装着してしまえばどちらも余り装着感は変わらないのですが、装着時の気軽さは圧倒的にこちらが上です。こちらはマジックテープ仕様で、腕にくるっと巻いてマジックテープで適切な位置で留めればOK。
デザイン的にもアルパインループやシリコン製のものと比べると、質感があって、さりげないオシャレなデザインにも目を引きますね。
登山で使用していても、クライミングでもしていなければ、トレイルループで全く問題ありません。歩く・走ることがメインの山行であれば、間違いなくトレイルループで決まりかと。
ただ、大きく2つ欠点があります。
①汗や雨で濡れるし、それほど速乾じゃない
山行中にかいた汗や雨を吸ってバンドが濡れます。行動中は良いのですが、停滞時など体温が下がるとヒヤリとして結構気になるんですよね。しかも、乾くのはそんなに早くありません。
②長期間使っているとマジックテープと接する面が毛羽立ってくる
ナイロン製マジックテープの宿命みたいなものですが、私の場合は1年ちょっとくらいで毛羽立ってきました。結構いい値段するから、耐久性はもっと欲しかったかなという印象。
シリコン製のバンド
上のアップル純正の2つのバンド以外ですと、シリコン製バンドが人気ありますね。正直な話、シリコンバンドが一番賢い選択かもしれない。
実際、汗や雨・雪などの濡れに強いし、ソロループタイプのバンドを買えば装着の手間もほとんど掛からず便利なんですよね。使い捨てだと思えばAmazonで売っている中華製シリコンバンドがとても安く手に入れやすい。
個人的にはシリコン製だとデザインが単調になりがちで余り工夫できないところがちょっと、という感じなんですが、機能性重視の登山用と割り切れば妥協できる範囲。
ちなみに、Apple Watch Ultraは45mmケース用のバンドがそのまま使えますので、49mm用がない場合は45mm用を購入してくださいね。
最終的には上記の機能面や欠点を踏まえた上で、予算やデザインなどからお好きなバンドを選んで貰えば良いと思います。
ケースを付けるか問題
高価なApple Watch Ultraということもあり、岩稜帯などの岩場で傷つけてしまったらどうしよう、と思うこともあるでしょう。そこで、画面にフィルムやケースカバーを付けて傷から守ろうと考えるのは自然なこと。
まず、ガラスフィルムは貼っておいた方が良いです。私が使っているのは安定のNIMASOのガラスフィルムです。
まぁ、実際は何でも良いと思います。今、フィルムが貼ってあるガラス面を見てみてもフィルムに何本かキズが見えるので、貼っておいて良かったです。
次にケースですが、以下の製品を使っています。
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B0BCFK9XL1
もう終売になったようでリンク先の製品は買えませんが、ケース装着してみた個人的な感想としては、傷つくリスクの高いクライミングや三点支持が必要な岩稜帯にでも行く場合以外はケース付けなくてもよいかと。
理由としてはケースを付けると、ボタン類や竜頭の操作がしにくくなりますし、ボタン類の誤動作の原因になりかねないからです。
実際、何かのはずみでケースのボタン保護カバーがずっとサイドボタンを押している状態になってしまい、119番の緊急コールを発動させてしまったり、86デシベルのサイレンを街中で鳴らしたことがあります(汗
なので、今は山に行くときにケースは装着していないことがほとんどです。
今回は私の登山用Apple Watch Ultraカスタマイズをご紹介しました。人によっていろいろ好みもあると思いますので、これらの情報を参考にしながら自分なりのApple Watch Ultraに育ててみて下さい!
では、今回はここまで。
【おまけ】
個人的にApple Watch Ultraに欲しい機能。Appleさん、最近ネタ切れ気味なんでしょうから、参考にしてくださいな。
①外気温計
山の中だと気温コンプリケーションで表示される平地の気温とは全然違うので、直接現在地の気温が測れる外気温計測機能が欲しい。
②AI天気予報
通信することなく気温や気圧の変化などから天気の変化もしくは降雨を「おおよそ」でよいのでAIで予測できる機能が欲しい。何時間後の晴れの確率何%とか何時間後の降雨確率何%とかいう感じで。
③熊除け/虫除け機能
熊鈴の音もしくは熊や虫が嫌いな音波を出す機能。熊鈴忘れたとき便利だし、アブやブヨをマジでどうにかしたい。