私が初めて購入したクルマがインテグラTYPE-R 96spec(DC2)でした。社会人になりたてで「とりあえず車買っとかないと」と思っていた私にはこのクルマ以外に乗りたい車が無かったと言っても過言ではないくらい憧れのクルマだったわけです。
私は今までに5台の車を所有してきましたが、未だにこのクルマより乗ってて楽しいクルマに出会えていません。それだけ96specのインテRは今でも私のCar Lifeの中で特別な存在になっています。
当時のインテRのカタログを引っ張り出して見ながらこのブログ書いてますが、こんなに文字がぎっしり書いてあるクルマのカタログなんて未だに見たこと無いです。ひたすらホンダのレースに対する情熱とかマニアックなチューニング部分の解説など延々と書かれており、かなり異端な内容になっていますw
かくいう自分も「ポート研磨」とか「ピストンスピードはF1以上」とか「レカロシート装着」とか次々カタログに現れる魅力的な装備とチューニング内容にひたすら心酔していたもんです。今から考えるとかなりギミック入ってますけど、それらがインテRを特別な存在にしていたのは事実。かなりの所有欲を満たすクルマでもありました。
あまりにも96Specがよかったので、このあとFMCしたDC5のインテRに乗り換えたのですが、わずか2年で手放してしまいました。「あぁ、これが同じTYPE-Rなのか」と。結局この代でインテグラが終わってしまいましたが個人的には納得。
私はこのDC5のインテRで1つ気づかされてしまいました。DC2からDC5への移行でホンダはTYPE-Rを魅力に劣る単なる量産モデルにしてしまったのだと。
今車が売れないとか言ってますが、車が売れない理由はいくつかあると思いますが、クルマが好きな人に対しても魅力的なクルマ・欲しいクルマを作れなくなってしまったというのも大きな原因の1つではないかと思っています。
安全や環境問題が大きくクローズアップされる昨今もう96SpecのようなTYPE-Rをメーカーが作るのは難しいのでしょうね(燃費は良かったけど)。また、ポート研磨に代表されるようないちいち手の込んだことをするのもコスト的に許されないのでしょうね。
でも、クルマのモノとしての魅力って実は背景にある物語や機械的なギミックの中にあるのかも知れないと思います。大量生産、コスト削減、利益重視のこのご時世、成熟産業となった日本の自動車業界に第二のインテグラTYPE-R 96Specの出現を望むのは酷なのかも知れません。もはや魅力的なクルマをリリースできない自動車業界はひたすら画一的な「道具」を大量生産するだけの存在ですね。