前後編とも読了。簡単に感想など。
前編はきちんと8月の発売日に買って数日で読了したのですが、その時点で感想は書かない方が良いなと思ったのです。後編出るまで待とうと。
前編は正直、今までの「響け!ユーフォニアム」らしくない、と感じたからです。
作者の狙いもあったのかも知れませんが、新章が始まるにあたって今までとは違う形にしようとして無理に奇をてらったように感じたのです。
なんというかキャラでストーリーを作っている感じがして、過去の麗奈と香織のTp.ソロ争いや久美子とあすかの話などと比べると、ちょっと物足りなさがありましたね。
北宇治吹奏楽部が強豪となり今までとは違ったタイプの生徒が入部してくると言うのは分かるのですが、自分にとってはなんだか不自然な「ヒリヒリ感」だけが残る前編でした。
波乱の第二楽章の始まりと言うことで「波乱!」というニュアンスは出せていたとは思いますが。
で、後編ですよ。
こちらは面白くて一気に読破してしまいました。後編は前章の第二巻同様にみぞれと希美がメインの話なのですが、この後編こそが響け!ユーフォニアムの真骨頂ではないかと思います。
やはり、前編で出てきた自由曲「リズと青い鳥」はこの後編への布石だったのですね。前編の説明だけではモヤモヤしてしまうこのタイトルの自由曲ですが、後編でその真の意味が分かります。(もちろん来春公開の映画も、、、)
そして、後編の見所はなんと言っても「みぞれ」と「希美」の立ち位置の変化でしょう。この変化を描いた緻密な構成は響け!ユーフォニアムシリーズでも1,2を争う出来なのでは。
前章からそうでしたが、みぞれと希美の話はいつも本当に魅力的で、ハイティーンならではのアンニュイな関係性が紡ぎ出す「ゆらぎ」がいいんです。このあたり大人になると忘れてしまった感覚というか、ここまでピュアな関係を持てる友人なんてなかなかいませんから。
なるほどね、だから映画は山田監督なのか、と思った次第。今から公開がとても楽しみです。
以上