登山中の宿泊と言えば私は圧倒的に山小屋派!
理由は簡単で、単純に背負って登る荷物を減らしたいから。そして若いときに憧れた山小屋泊をある程度出来るような年齢になったからである。
だいたい、山登ってヘトヘトになっているのに、テント場についてテント広げてご飯の準備するなんてもうムリ。かなりの高確率でご飯抜いて寝てしまうと思う。
でも、それは次の日の行動を考えたらNG行為なので、そうならないためにも高いお金を払って一泊二食付きの小屋泊にしているところもある。
最近はどの小屋も人数制限してるので昔より全然快適だし、見知らぬ登山者とのコミュニケーションも良いモノです。
で、気になるのは「山小屋メシ」だ。
せっかく高い宿泊代を出しているので、できれば美味しいご飯を食べたいもの。期待せずには居られないわけで、ここで私が食べてきた「山小屋メシ」の一部を公開していきたいと思う。
注意頂きたいのが、山小屋メシは山小屋の食事提供に対する考え方やスタッフの数、コストなどいろいろな要素があるので、山小屋ごとのメシの内容について善し悪しは語りません。あの環境の中、提供頂けるだけでもありがたいもの、と筆者は考えます。
#宿泊当時の山小屋メシを紹介していますので、現在でも同様の山小屋メシが食べられるとは限りませんのでご了承ください#
では、まずは北アルプス編。
槍ヶ岳山荘
深田久弥に著書である日本百名山で「いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わない者はいないだろう」と言わしめたのが槍ヶ岳。
その肩にある小屋が槍ヶ岳山荘。もはや説明不要かな。
そんな登山者憧れの槍ヶ岳に登頂の際には是非泊まりたい小屋ですよね。この小屋の前から見る晴れた日の朝夕の景色は超絶景。槍の頂上からは北アルプスを一望でき、その中心にいるのだと実感できること間違いなし。
槍ヶ岳山荘には何度か宿泊させて頂いているが、最近夕食の傾向が変わった気がする。

以前はハンバーグとか無難な感じで、正直な話、大人数食事出さないといけないからまぁ仕方ないかという感じだったのに、2024年に泊まったときにはなんと中華料理がメインディッシュとして出てきた!
少し辛い炒め物でしたが、疲れた体でも食欲沸いてきて、とても美味しく頂きました。
大天荘
燕岳から常念・蝶ヶ岳方面に向かうパノラマ銀座に向かう際に便利な山小屋。私は表銀座縦走の際に、大天井岳の山頂を踏みたかったのでこの小屋に泊まりました。健脚者なら中房温泉登山口からその日のうちに行けます。
この小屋は燕山荘グループの小屋なので宿泊者に対するホスピタリティという面では非常に高いものがありますね。北アルプスで一二を争うと思います。
私が行ったときは夕食に関して魚料理か肉料理かを選択できました。旅館ではなく、山小屋なのにこれを聞かれたのは初めてでしたね。私は肉を選択したところ、ハンバーグでした。


標高2900mくらいある山小屋の食事とは思えないクオリティ。見てるだけで美味しさが伝わってくるし、実際とても美味しい。

しかも、夕食後には食堂がランプの明かりを灯した雰囲気のある喫茶室になり、本格的なコーヒーとケーキが楽しめたりと泊まる価値のある山小屋です。
野口五郎小屋
裏銀座縦走の際に宿泊した小屋。こじんまりとした小屋ですが、その位置から山慣れした健脚者が利用する小屋(ほとんどの人が手前の烏帽子小屋で泊まる)のため、他の小屋泊の方と楽しいコミュニケーションが取れた思い出の小屋です。

大きくてサービスの行き届いた有名な山小屋もいいですが、小さな小屋だからこそのアットホームな雰囲気と親密になれる見知らぬ山仲間との会話も楽しみの一つです。
私が行ったときは、ある意味離島のペンション的な雰囲気があり、なんと長期滞在者が数名いらっしゃいました。何もない山小屋で長期滞在って何してるんでしょうね?
そんな野口五郎小屋のメシは天ぷらでした。

まさか裏銀座の山の中でできたての天ぷらが食べられるなんて、、、最高すぎる!本当に美味しかったのを覚えています。
私の大好きな山小屋の一つなので、裏銀座縦走に挑戦する健脚自慢の方には是非宿泊して頂きたいですね。
水晶小屋
前記の野口五郎小屋から水晶岳に向かう際、雨に降られたので一時退避した小屋が水晶小屋でした。水晶小屋は北アルプスの最深部にある小屋で、行くのが簡単ではないだけに行ったことを自慢できる小屋です。
なので、水晶小屋に宿泊してはいないのですが、お昼ご飯として山小屋メシを頂きました。

水晶岳の帰りに小屋にデポしたザックを取りに行った際に「おなか空いたので何か食べたーい」と小屋番さんに言ったら、これならすぐ出来ますよー、と言われて頼んだのが写真の力汁。
豚汁?に焼いたお餅の入った具だくさんの汁物で、満足度の高いお昼ご飯でした。お餅が入っているので腹持ちが良く、汁の塩分が水晶岳の登山で疲れた体を回復してくれたおかげで、この後の鷲羽岳も難なく踏破できました!
双六小屋
新穂高から裏銀座や西鎌尾根経由の槍ヶ岳方面に向かう中継地点としてよく利用される小屋ですね。私も何度か利用させて頂いていますが、双六小屋グループの山小屋(鏡平や黒部五郎など)はホスピタリティの高い小屋が多いので、是非一度は泊まって頂きたいですね。
その中でも双六小屋は中心的存在で、一番大規模な小屋でもあります。黒部五郎から新穂高への帰路の途中で宿泊させて頂きました。

双六小屋の食事は満足度高いです。有名ですが夕食は天ぷらがメインディッシュとして出てきます。おいしいサクサク天ぷらがこの量出てくるのはビックリですよね。ここは新穂高から何時間もかけて歩く必要のある、北アルプスの山の中ですよ!
お昼に食べたカレーもレトルトなどではなく、手作りでとても美味しかったのを覚えています。やはり食事が美味しい山小屋は魅力的!人気があるのもうなずけますね。
編集後記
山小屋泊の大きな楽しみと言えば、山小屋の食事に尽きます。
各山小屋で趣向を凝らした食事は登山の疲れを癒してくれるだけではなく、明日の登山への活力にもなりますからね。また、食事の時の他の登山者とのコミュニケーションも良いスパイスになります。
おいしい食事を提供してくれる山小屋の小屋番さんたちに感謝しつつ、我々登山者も山登りに勤しみたいと思います!